研究概要 |
半導体デバイスや耐高温用のセラミックス-金属接合材のように,異材を接着・接合して使用する場合が増大している.また,材料の機能生を向上させる目的から,プラスチックと金属,セラミックと金属等,種々の組合せの複合材料の開発が活発に行われている.このように,異種材料の接着・接合ないし複合材料が幅広く利用さるようになってきており,それらの強度について,より信頼性の高い評価が求められている.そこで本研究では,異種接合材料の損傷・破壊過程を詳細に計測・観察するとともに,異種接合材料の界面破壊を支配するパラメータについて検討を行ない,接着・接合界面強度の一般化クライテリオンを確立することを目的とする. 本年度は,以下の点について検討した. 1.界面強度評価方法として,マルチステージピール試験法を提案した.高分子フィルム上に導電性セラミクスを蒸着させた試験片を用いてはく離試験を行い,界面付着強度を評価した.また,高分子とセラミクス界面に及ぼす紫外線照射の影響を調べるために,ウェザーメータ中に試験片を投入し,120日間紫外線暴露をさせた後,はく離試験を行った.その結果,紫外線暴露により界面付着強度が大幅に低下することが示された. 2.遮熱コーティングセラミクスとCo基超合金との界面強度に及ぼす残留応力の影響を検討するために,残留応力の測定を行った. 3.界面の機械的挙動を損傷力学を用いてモデル化を行った.そして,時間依存型界面結合力モデルを提案した.
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