研究概要 |
本年度は手術ロボット用球面モータの性能評価、制御方法・ドライバの開発,マスタスレーブロボットの開発を行った。 1.手術ロボット用球面モータの性能評価 開発した手術ロボット用球面モータの性能評価を行った.入力を3°の正弦波追従とする周波数応答試験では,-3dB(70%)で45Hzという優れた応答性を示した.これは電磁モータを駆動源とするものの5〜10倍の性能である.位置決め精度は,0.05°,球ロータ表面距離にして8.7μmという結果を得た.またトルク回転数特性試験で,最大トルクは3.7mNm,最大回転数は,62rpmであった.サイズはφ25mmと大幅な小型化(従来比の1/3〜1/4)に成功した.実用的な大きさまであと一歩である. 2.制御方法・ドライバの開発 手術ロボットの安定性向上や誤動作防止のため,共振周波数の自動追従と位相差制御の可能なドライバの開発を行なった.共振周波数の自動追従機能により,時間に対して安定したトルクが得られるようになった.位相差制御によって,ロボット関節などの位置決めの際に問題となっていたオーバーシュートや振動を取り除くことが出来るようになった. 3.マスタスレーブロボットの開発 バイラテラル構造のマスタスレーブロボットの試作を行なった.マスタ側にも超音波モータを使用しており,術具の先端の力覚を,素早くダイレクトドライブで伝えることが可能になった.またMRIコンパチブルの開発を行った.MRIのコイルセンタにおいて球面モータを駆動させたときでも,癌細胞等を特定することができ,診断に使用できる程度の撮像画像が得られた.
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