研究課題/領域番号 |
15206019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
多川 則男 関西大学, 工学部, 教授 (50298840)
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研究分担者 |
新井 泰彦 関西大学, 工学部, 教授 (80131415)
森 淳暢 関西大学, 工学部, 教授 (80026202)
加藤 孝久 産業技術総合研究所, 機械システム研究部門, 総括研究員 (60152716)
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キーワード | ハードディスク / ヘッドディスクインタフェース / ナノトライボロジー / 超薄膜液体潤滑膜 / PFPE系潤滑剤 / コンタクトスライダ |
研究概要 |
本研究は平成15年度から3年間で現状の1桁上の記録密度である一平方インチあたり1Tbの情報蓄積が可能となる10nm以下の浮上隙間でヘッドディスクが信頼性高く作動するナノメータヘッドディスクインタフェースの創製を目指すものである。従って、その極限HDI設計指針だけでなく、新規な潤滑剤の提案・開発を行うもので、今年度は以下の検討を行った。 新規に開発されている末端官能基として環状トリホスファゼンを有するPFPE系高分子潤滑剤をまず用いて、10nm以下で浮上するスライダとその潤滑剤との相互作用をLDV及びAEセンサーを用いて実験的に検討した。この時、スライダは5nm程度で浮上するニアコンタクトスライダとディスク媒体と接触走行するコンタクトスライダとに分けて検討を進めた。浮上するスライダの潤滑膜とのタッチダウン、テイクオフ特性やコンタクトスライダと超薄膜潤滑膜との相互作用を調べるとともに、実験前後のディスク上での潤滑膜厚変化などをSRAを用いて調べ、潤滑剤の分子膜のもつ様々な特異な現象を解析した。また同時に従来使われているZdol系潤滑剤を用いて同様の実験を行い、両方の結果を比較検討することにより、スライダ・潤滑膜相互作用に及ぼす潤滑剤末端基や分子量の影響を明らかとした。また潤滑剤単体の基本的なナノ流動特性に対しても検討を進め、アミン系分子を末端基に有する潤滑膜の自然拡散挙動について明らかとした。これらの結果をベースとして、次世代に要求される潤滑剤の基本的機能である自己修復作用と自己保持作用との相矛盾する特性を同時に満たす潤滑剤の分子設計法について検討を開始した。
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