研究概要 |
(1)超音速自由分子流における非ボルツマン回転エネルギー分布の実験的解明 共鳴多光子イオン化法(REMPI)を用いた超希薄気体流計測システムを構成し,真空中へ噴出する窒素の超音速自由分子流の流れ場に適用し,回転温度非平衡現象を実験的に調査した.これには非平衡の程度を示す貯気室圧力(P_0)とノズル出口直径(D)の積(P_0D)をパラメータとして実験を行い,超音速自由分子流内で生起する非平衡現象,並進と回転温度が異なるモード間非平衡現象や回転温度の凍結現象を明らかにした. (2)高クヌッセン数流れ(低圧力域およびマイクロナノデバイス周りの流れ)に適用可能な感圧塗料の開発 ・低圧力域においては酸素透過性の非常に高いバインダーであるpoly(TMSP)を利用したPtTFPP/poly(TMSP)が固体表面圧力の計測に適していることを明らかにした. ・PSPの発光強度と分子数流束の関係を明らかにし,高クヌッセン数領域で重要となる分子数流束の計測法としてPSPが有用であることを示した. ・Langmuir-Blodgett(LB)法によってPSPを分子膜化したPSMF(Pressure Sensitive Molecular Film)を作製し,そのPSMFの特性を評価することによって,マイクロデバイス周りの流れ場計測に適用可能であることを示した. (3)面-分子干渉実験装置の構築 固体表面から反射した気体分子を検出し,気体分子のエネルギーおよび運動量適応係数の精緻データを得るための実験装置を構築した. (4)レーザー誘起蛍光法(LIF)およびPSPを用いたリニア型エアロスパイクノズル噴流に関する研究 リニア型エアロスパイクノズルより噴出する高速流の衝撃波を含む複雑な流れ場構造をLIFにより可視化するとともに,ノズル壁面の複雑な圧力分布をPSPにより計測してエアロスパイクノズルの性能を評価した.
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