研究課題
高指数面基板上に分子線結晶成長で作製した自己形成型量子細線は、量子細線方向に偏光した光に対して優先的な光学利得をもつ。この特徴を面発光レーザに利用してこれまで問題となってきた偏光不安定性を解消することを目指して研究を進めている。昨年度、(775)B In_<0.1>Ga_<0.9>As/(AlAs)_1(GaAs)_6歪量子細線層を活性層に有する面発光レーザを作製し、偏光が細線方向に安定した光励起室温発振を得た。本年度は、この量子細線を活性層に持つ電流注入型の面発光レーザ素子を作製するため、産業技術研究所のグループとともに量子細線面発光レーザの作製プロセスの要素技術(リセスのためのドライエッチング、横方向酸化等)の確立をすすめ、ほぼ目処がついた。一方、1.3μm帯の量子細線レーザでは、(775)B InP基板上にInGaAs/InAlAs自己形成型量子細線ストライプレーザを作製し220Kまでの電流注入パルス発振を確認し、室温発振まであと80Kまでに近づいた。1.3μm帯の量子細線レーザ材料の侯補として(221)A InP基板上にMBE成長により形成される量子細線がある。この量子細線は、(775)B InGaAs/InAlAs量子細線にまさる均一性を有するが、室温でホトルミネッセンスが得られないほど光学的特性が悪く、レーザ材料として向かない問題があった。(221)A InGaAs/InAlAs量子細線をアニールしたところ、光学的特性が著しく改善し、量子細線レーザ材料としても有望であることが明らかになった。
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J.Cryst.Growth (in press)
J.Vac.Sci.Technol. (in press)
J.Vac.Sci.Technol. B22-3
ページ: 1526-1528