研究概要 |
次世代超高密度強誘電体記録に関する学理を明らかにするため今年度は以下のような研究を行った. (1)人工強誘電ナノドメインドットの最小サイズの解明 どこまで小さな強誘電体ドメインを人工的に作製できるのかを明らかにするための実験をおこなったその結果半値全幅で5.1nmの単一ドメインドットの形成に成功した.もしこのサイズを保ったままで細密に記録できれば24Tbit/inch^2を超える記録が可能となる.更にナノドメインをどこまで互いに近く近接できるかを細密構造に正負のドメインドットを形成することにより調べ世界最高密度の8.5Tbit/inch^2の記録密度を達成した.更に実記録においても1Tbit/inch^2の記録密度で128×128の記録を行い10^<-2>のオーダーの誤り率を達成した.また記録密度は低いものの258Mbit/inch^2の記録密度で10^<-5>台の磁気記録並の誤り率を達成した (2)人工強誘電ナノドメインドットの最高スイッチングスピードの解明 大容量記録技術においては,記録再生速度も記録密度とともに非常に重要である.強誘電体のドメインスイッチング速度は非常に速いことが分かってきているが,(特にナノドットの場合)その限界を確定した例はない.そこで,非常に短いサブナノセカンド領域までの電圧パルスをSNDMのティップに印加することにより,どこまで短いパルスに追随してドメインスイッチングが可能かを明らかにする実験を行い500psecの超高速のパルスに対してもドメイン反転が可能であることを実証した. (3)薄片化(100nm以下の厚さ)単結晶媒体の大面積化 現在記録媒体に使用している薄片化した強誘電体単結晶媒体の大面積化を行った.その結果6mm×6mmの媒体では40nmの厚さでほぼ均一に(±8nm)な媒体の開発に成功した.
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