研究概要 |
次世代超高密度強誘電体記録に関する学理を明らかにするための研究を行い以下のような成果を得た. 1.強誘電体単結晶媒体の大面積化を行った.具体的には新開発のドライエッチング法を使用し回転記録機用媒体として十分な大きさの14mm□で厚さの平均値48.5nmで標準偏差3.1nmの極めて均一な記録媒体の開発に成功した. 2.記録密度を向上される研究を行った.具体的にはドメイン反転時のバックスイッチング現象を微弱なオフセット電圧印加で安定化させる方法を考案し,半値全幅で5.1nmの単一ドメインドットの形成に成功した.更に10.1Tbit/inch^2の面記録密度を達成した.また実記録に置いても1Tbit/inch^2の記録密度で1.8%の記録誤りを達成した.また記録密度は低いものの258Mbit/inch^2の記録密度で10^<-5>台の磁気記録並の誤り率を達成した. 3.大容量記録技術においては,記録再生速度も記録密度とともに非常に重要である.そこで,どこまで短いパルスに追随してドメインスイッチングが可能かを明らかにする実験を行い500psecの超高速のパルスに対してもドメイン反転が可能であることを実証した. 4.ナノドメインドットの長期安定性(年単位での)を調べた.具体的には高温度下で加速試験を行い,その結果よりアレニウス式のパラメータを決定し長期安定性の予測を行った.現状では80nmの厚さの媒体に形成した半径50nmのドットについてのみの結論であるが80℃で10年以上の寿命があることが分かった. 5.書き込み速度の高速性を更に高めるため高速回転方式の記録再生装置を開発した. 6.高次非線形誘電率顕微鏡法を応用した非接触型のSNDM方式を新たに開発した.基礎段階ではあるが約0.1Åの精度で高さ制御が可能であることが分かった.
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