研究課題/領域番号 |
15206040
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水谷 孝 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70273290)
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研究分担者 |
澤木 宣彦 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023330)
岸本 茂 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10186215)
大野 雄高 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10324451)
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キーワード | GaN HEMT / GaN MISHEM / 電流コラプス / 高誘電率膜 / KFM / 電位測定 |
研究概要 |
本研究では高耐圧・高出力GaN HEMTの実現を目的に、そのデバイス製作技術を検討するとともに、GaN HEMTの特性評価をとおして特性向上の課題を検討した。主要な結果は以下のとおりである。 前年度には、GaN HEMTでの大きなゲートリーク電流および電流コラプス抑制を狙いとして、ゲート下にSi_3N_4絶縁膜を挿入したGaN MISHEMT構造を提案しその有効性を示したが、相互コンダクタンスが低下するという課題を有していた。今年度はこの問題を解決すべく、Si_3N_4に変えて高誘電率膜をゲート絶縁膜に用いることを提案した。 高誘電率膜としてZrO2を用いることにより低ゲートリーク電流特性を保ったまま相互コンダクタンスの低下を抑制することができた。電流コラプスもある程度抑制できたが大きなドレイン電圧では電流コラプスが発生し、改善の余地が残されている。 電流コラプスのモデルとしては、ゲート電極からの電子注入と表面準位への電子捕獲・放出を提案しているが、これをKFMによる素子表面の電位測定により直接的に検証した。バイアスストレス後の素子表面の電位は電子の放出に対応して時間とともに増加すること、またこの時間変化がドレイン電流変化に対応していることを見出し、本モデルの妥当性を示した。
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