研究課題/領域番号 |
15206041
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉川 公麿 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (60304458)
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研究分担者 |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
宮崎 誠一 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (70190759)
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キーワード | 低誘電率層間絶縁膜 / 配線 / ワイヤレス / インターコネクト / アンテナ / LSI / 多孔質 / 感光性 |
研究概要 |
将来のシリコンULSIチップ間の超高速グローバル信号を伝送するためのインターコネクト研究において、本年度は以下の業績を挙げた。 (1)チップ間の高速信号を伝送するグローバルインタコネクト技術開発として、シリコン集積化アンテナを用いたシリコン基板間信号伝送技術を開発している。ULSIをシミュレートするシリコンチップにそれぞれダイポールアンテナを形成し、チップ間に隙間をあけてアンテナ間距離を変えた場合の信号の減衰を調べた。その結果シリコンチップ間に隙間があっても、何枚のシリコン基板を重ねても送信アンテナからでた正弦波信号は受信アンテナに伝送できることを明らかにした。これらの成果は国際固体電子デバイス材料会議、及び電子情報通信学会アンテナ伝搬国際会議に発表した。さらに、送信信号がガウシアンモノサイクルパルスであるウルトラワイドバンド通信も可能であることを示すとともに、アンテナ形状についても検討し、シリコン基板上に形成したフラクタルアンテナが超広帯域を有することを示し、これらの成果を米国IEEEアンテナ伝搬学会で発表した。さらに、このシリコン集積化アンテナとインダクタによるワイヤレス配線を用いた3次元チップ積層について米国IEEE固体回路国際会議に発表した。 (2)超高速グローバルインターコネクト技術の開発において、チップ内配線層間絶縁膜低誘電率化のための空孔導入は必須であるが、それにともなう膜特性劣化のメカニズムを解明した。特に、多孔質層間絶縁膜のリーク電流特性と誘電率特性について、HMDS処理によるリーク電流の低減と誘電率の改善のメカニズムを水分子の吸着の観点から理論的に明らかにした。
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