研究課題
申請者らの研究グループはこれまでに、画像処理の基本モデルの一つであるMRF(マルコフ・ランダム・フィールド)モデルを、物理波動のエネルギーと位相の概念に基いて複素振幅画像に拡張したCMRF(複素マルコフ・ランダム・フィールド)モデルを提案している。一方、プラスチック地雷を探知するには、電磁波強度のほかに、誘電率変化や誘電率境界による共振に伴う電磁波の位相変化に着目することが重要であると考えられる。本研究の最終目標は、このCMRFモデルを基盤とし、またアレイアンテナによる干渉型レーダに着目して、得られる複素振幅データに対して適応的・非線形な画像信号処理を行う、複素ニューラルネットワーク画像情報処理システムを開発することである。そして学習と適応性によって、地雷探知に有用な情報を無駄なく取りだし、高い検出確率と視認性を持つプラスチック地雷探知試作機を構築しようとするものである。本年は特にアンテナのアレイ化に関する基礎的な研究を行った。研究室に現有のレーダシステムは、38GHz帯用で比較的小型であるが、ホーンアンテナを掃引するタイプのもので、地下探索用ではない。そのため、2次元(面的)に複素振幅のデータが取得可能な、地雷用の小型アレイアンテナの実現を目指したフロントエンドの設計をすすめた。将来のアレイ化の要素をなす1単位部分のアンテナと回路である。その結果、次の特徴を持つアンテナ・フロントエンドを実現することに成功した。(1)広い周波数範囲(4GHz〜12GHz)にわたって電磁波を効率よく放射・受信する直線テーパ型スロットアンテナ、(2)アンテナで受信された信号をこの広帯域にわたって振幅及び位相の変動少なく直交ホモダイン検波するホモダイン検波回路、および(3)送信アンテナおよび受信アンテナの間の直接カップリングを抑制しながら放射電磁波に与える擾乱が小さいセパレータ、である。この成果を土台として、来年度以降も、地雷探知システムの構築をすすめてゆく。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (16件) 図書 (2件)
Appl.Opt. (in press)
IEICE Trans.on Electron. E88-B,1
ページ: 364-371
Jounal of Intelligent and Fuzzy Systems 15,3-4
ページ: 129-147
Neural Networks 17,8-9
ページ: 1201-1210
Neurocomputing 58-60
ページ: 503-509
電子情報通信学会誌、小特集「複素ニューラルネットワーク」 87,6
ページ: 447-449
ページ: 482-487
Int'l Conf.on Neural Inform.Processing (ICONIP)2004 Calcutta
ページ: 104-109
Int'l Conf.on Neural Inform.Processing (ICONIP) 2004 Calcutta
ページ: 116-121
ページ: 131-136
ページ: 50-56
Int'l Conf.on Image (ICONIP) 2004
ページ: 211-214
Int'l Symp.on Antennas and Propagation (ISAP) 2004 Sendai
ページ: 517-520
Int'l Conf.On Fuzzy System & Innovational Computing (FIC) 2004 Hibikino
ページ: 213-218
Int'l Conf.On Optics in Computing (OiC)' 2004 Engelberg
ページ: 67-68
数理科学 492
ページ: 78-83