研究概要 |
(1)高速歩行に関しては、前プロジェクトで製作したMARI-1を改良することによりさらなる高速歩行を実現した。主な改良点は、(1)各軸のサーボアンプおよびモータを改良し、パワーアップを図った。(2)歩行パターンを見直して、誘起電圧を抑制するような歩行軌道を生成した。以上の改良により,時速1.5km/hをやや超える歩行が実現できた。(3)3Dシミュレータ(ROCOS)を用いて、MARI-1の機構部およびアクチュエータ部を正確にモデル化して、現行の制御則を適用すると、時速1.5kmまで安定歩行し、さらに、トルク飽和を補償するような制御則をシミュレーションで確認したところ、時速1.6km/hまで安定に歩行させることができた。これにより、精密なモデル化で歩行速度の予測ができることがわかった。(4)ビジュアル歩行で斜め追従の誤差の原因を解明した。(5)段差歩行のために、歩行動作の途中で歩幅をかえる歩行パターンを提案した。(6)逆キネマティクスを高速に計算する手法を実装した。 (2)人間型2足ロボットの走行に関しては、(1)足先にも質量のある3関節の脚のモデルをROCOSで実現し、ジャンプの基礎検討を行った。(2)昨年度製作した3軸1脚ジャンプロボット(電源線以外はすべて搭載する自律型で、軽量化のために、RONサーボ(ロボットネットワーク)サーボを装備)を用いて、力制御器の設計を行った。(3)2足歩行および走行ロボットMARI-3(RONおよび配線、センサの実装)を完成させ、時速0.5kmの歩行、および、高さ5cmのジャンプ実験を実現した。片足での数回の連続跳躍も行った。 (3)人と接触しても危害を与えない2足歩行ロボットの実現を目的として,ゼロ剛性アクチュエータの制御方式の検討を行い,ロバストな力制御および位置制御方式を提案し,シミュレーションと実験によりその有効性を確認した。
|