研究課題/領域番号 |
15206052
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮川 豊章 京都大学, 工学研究科, 教授 (80093318)
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研究分担者 |
原田 哲夫 長崎大学, 工学部, 教授 (50136636)
森川 英典 神戸大学, 工学部, 助教授 (70220043)
河合 研至 広島大学, 工学研究科, 助教授 (90224716)
野口 貴文 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (80208321)
服部 篤史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30243067)
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キーワード | コンクリート構造物 / メンテナンスシステム / 劣化現象 / 複合劣化 / 性能照査 / 劣化メカニズム / 補修・補強 / 耐荷性能 |
研究概要 |
本研究課題は、コンクリート構造物のあるべきシナリオのもとで、その性能を有効に発揮させるための「維持管理システム」の構築を目的とした。 本年度の検討で得られた主な結果は以下の通りである。 (1)各劣化現象の単独劣化のメカニズム、複合劣化のメカニズム、複合劣化の相関図、複合様式の分類と現象把握レベルおよび予測劣化について明らかにした。これら相関図や複合様式の分類より、個々の劣化メカニズムとしては複合する可能性があっても、実現象として確認されていないことや、個々の劣化速度がそれぞれの機構により異なるために、複合劣化として生じ得る可能性が小さいこともあることがわかった。 (2)複合劣化の点検の種類や方法は、劣化進行予測モデルの組合せによって変わるため、点検結果と劣化限界状態の関係が明らかとなる点検方法と劣化進行モデルの構築を必要とすることを示した。 (3)劣化および複合劣化がコンクリート構造物の構成材料の性能に与える影響について、コンクリート強度、鋼材強度、付着性能の経時変化を定式化する手法を提案した。また、これらを用いて部材あるいは構造物の耐荷性能低下を予測する手法を示した。一方、コンクリート構造物の供用性評価に係る非破壊試験方法を整理し、その特徴を考察してコンクリート表面の劣化現象を説明できる評価値を設定した。 (4)単独および複合した要因により損傷を受けたコンクリート構造物の補修・補強に対して、補修工法および材料の選定の考え方を示し、その妥当性をケーススタディによって評価した。 (5)性能評価(照査)型の設計体系の中での維持管理計画と、そのシステム構築の方向性を確立した。また、総合的なコンクリート構造物のメンテナンスシステムとして、単独あるいは複合劣化現象全般にわたり適用可能な補修・補強ガイドラインを示した。
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