研究分担者 |
廣瀬 壮一 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (00156712)
白旗 弘実 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (40298013)
山田 真幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30323083)
佐々木 栄一 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (40311659)
木本 和志 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30323827)
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研究概要 |
本研究では,以下のような検討を実施した. (1)既設鋼構造物中の疲労亀裂検出のためのデータベースとそれに基づくコンサルテーションシステムの構築 疲労損傷の発生位置・要因,補修対策を含めたデータベースを構築し,欠陥からの疲労き裂発生の検知が維持管理上重要であることを示した. (2)超音波エコー特性に対する数値シミュレーション リニアアレイ探傷システムの構築に向けて探触子の圧電素子配列の最適化を目的に波動シミュレーションを実施し,周波数2MHz,5MHzに対して効率的な圧電素子配列を提案した. (3)疲労き裂からの超音波エコー特性の実験による確認 超音波探傷により,き裂先端の開閉口挙動を超音波エコーの高さの変化として非破壊的に検知できることを示すとともに,開口合成法による画像化により疲労き裂識別の可能性を示した. (4)アレー超音波探傷システムの構築 タンデムアレー,2次元的配列を有する探触子により3次元的に鋼材内の欠陥情報を取得できるシステムを開発した. (5)波形信号処理による超音波探傷の高精度化 3次元欠陥情報の客観的評価かつ高精度な画像化手法を開発した.また,疲労き裂先端の位置検知においての開口合成法等の画像化手法の精度についても考察した. (6)鋼構造物モデルを用いた実証試験 近年疲労問題が顕在化した鋼製橋脚のモデルにより溶接欠陥検出性能の検証を行い,3次元形状を有する欠陥であっても精度よく検出可能であることを確認した. 以上から,疲労損傷度の定量的評価が可能な超音波探傷システムを構築可能となる.
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