研究分担者 |
泉 岳樹 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10336513)
貞広 幸雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10240722)
荒巻 俊也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90282673)
一之瀬 俊明 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (30231145)
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研究概要 |
中国重慶市に高性能の気象モデルであるRAMSを適用するために,モデルの改良とモデルに必要な入力情報の整備を行った.詳細な地表面境界条件を利用できるようにソースコードの変更を行った.これまでメソスケールモデルで取り扱うことが困難であった建築物の影響を考慮するために2次元の建築キャノピーモデルを導入し,メソモデル(RAMS)へ組み込んで動作のチェックを行っている. また,地表面の状態を土地利用データに基づき推定するのではなく,衛星リモートセンシングや高解像度空中写真より直接推定するための基礎的な研究を幅広く行った.具体的には,LANDSATの熱赤外データを用いた地表面熱収支の推定,デジタル空中写真を用いた屋上緑化可能面積の推定,植生活性度と関係のある葉面積指数(LAI)の全天写真からの推定,LANDSATの可視,近赤外データを用いた積雪,非積雪地域の判別,などである.人工排熱はまだ組み込んでいないが、重慶に対するシミュレーションを行うことができた. ミクロスケールでの暑熱現象定量化の技術開発を目的に,ソウル市をフィールドとして以下の観測を行った.韓国ソウル市では,実施されている都市内における大規模な清流復元事業(清渓川復元業)の環境改善効果としては,交通量の減少による大気浄化はもとより,河川周辺の夏季における暑熱の緩和効果にも注目が集まっている.本研究では,高架道路撤去工事開始に先んじて,6月中旬に百葉箱内に小型温湿度計を置いた簡易自動観測ステーションを,清渓川南北500m以内に立地する小中高等学校7箇所ならびに公共機関8箇所に設置し,10分間隔のモニタリングを開始した.また,サーモグラフィーを用い,当該事業の前の熱画像を取得するとともに,周辺街区での体感温熱指標を計測したほか,シンチロメーターによる顕熱フラックスの観測により,施工初期段階の8月中旬に日中600W/m2程度の値を得ている.
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