研究課題/領域番号 |
15206075
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三島 良直 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00143660)
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研究分担者 |
細田 秀樹 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (10251620)
木村 好里 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (90262295)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 超耐熱材料 / 金属間化合物 / 鋳造 / 組織制御 / 室温じん性 |
研究概要 |
本研究は3年間にわたり、複雑な規則構造を有する高融点金属間化合物を中心にその凝固プロセスを制御することにより凝固欠陥や凝固偏析等が生じる条件を出来るだけ低くする条件を見出すことを主たる目的とし、申請経費で購入した光学式浮遊帯炉を用いて種々の合金の一方向凝固する際の液相を安定に保持するための試料の回転速度と凝固速度条件が凝固組織に及ぼす影響を検討した。 高融点金属であるNbやMoをベースとしそれらのシリサイドを強化相とする合金は現在実用耐熱合金の中で最高の耐熱性を有するNi基超合金を凌ぐ次世代耐熱合金として期待されているが、その製造時に液相から晶出する金属間化合物が非常に複雑な規則構造を有することに起因して凝固中に化合物自体に割れを生じたり、ミクロボアが生成したりするために、凝固後に組織制御を行って所定の組織に調整した後もこれらの凝固欠陥を起点とする脆化のため構造用材料としての特性を得ることが出来ない。言い換えればこれら凝固欠陥を極力避けなければその後の組織制御により高温強度を高めつつ室温での最低限のじん性を確保するための材料設計手法を確立することが出来ない。本研究ではNb-Si-Ti合金におけるNb固溶体とNb_5Si_3金属間化合物の2相ラメラー組織の制御による高温強度と室温じん性の最適化、またMo-Ta-Si合金におけるMoSi_2とTaSi_2金属間化合物同士からなるラメラー組織の制御による高温強度の向上とじん性発現のための材料設計を展開し、これら合金をアーク溶解炉で作成した後光学式浮遊帯溶融炉を用いて種々の条件で再溶解・凝固して凝固欠陥を抑制し、健全な素材作成のための条件を見出すとともに、これら合金において耐熱材料としての力学特性でチャンピオンデータを得ることに成功した。 さらにFeをベースとした耐熱材料においても金属間化合物Fe_3AlCを母相固溶体中に分散させた合金の材料設計を展開し、同様に光学式浮遊帯炉を用いた一方凝固により金属間化合物の形状制御を行ってすぐれた力学特性を得ることが出来ることを示した。
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