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2003 年度 実績報告書

サブミクロン超細粒鋼の特性評価とその利用展開

研究課題

研究課題/領域番号 15206077
研究種目

基盤研究(A)

研究機関九州大学

研究代表者

高木 節雄  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90150490)

研究分担者 森川 龍哉  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00274506)
土山 聡宏  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40315106)
東田 賢二  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70156561)
キーワード微細粒 / メカニカルミリング / 転位密度 / 機械的性質 / Hall-Petch / 粒界すべり
研究概要

1.微小部X線回折法の有効性
まず、本助成金にて導入した微小部X線回折装置を用いて、格子定数や転位密度の測定を行うための測定条件を確立した。本装置はコリメーターによってX線の照射面積をφ0.8mmから0.01mmまで調整することができ、回折X線検出部に湾曲IPフィルムを用いている。コリメーター径が0.3mm以上の場合、10min程度と短時間の測定が可能であり、0.1mmの場合でも数時間の測定を行えば十分に信頼性の高い値が得られることがわかった。ただし、それ以下の領域からのデータを得るためには、24h以上の長時間の解析時間が必要であることも確認された。
2.酸化物分散超微細粒鋼の組織と機械的性質
工業用純鉄粉に3vol.%のY_2O_3粉を添加した試料をメカニカルミリング処理し、これを固化成形することによってY_2O_3が10nm程度の大きさで分散した粒径0.2μm程度の超微細粒組織を有する鉄が作製できる。バルク鉄の強度は2GPaに達し、これはHall-Petch則に従って強化されていることが確認できた。一方、塑性変形に伴う転位組織の発達に関してその粒径依存性を調査した結果、粒径100μm程度の粗粒材ではセル組織となるが、粒径0.2μm以下の超微細粒材では、変形初期段階から粒内に均一な高密度の転位組織が形成される。その転位密度は、粗粒材に認められるセル組織のセル壁の転位密度に匹敵することが明らかとなった。また、変形応力の温度依存性を調査した結果、粒径1μm以下の超微細粒鉄では773K以上の温度範囲で逆Hall-Petch則の発現が確認された。この現象は粒界すべりが主たる変形機構となったことに起因しており、逆Hall-Petch現象が発現する温度は結晶粒の微細化と伴に低下する。この結果から、室温付近でも粒径を数10nm以下に微細化すれば、粒界すべりによる変形が可能であることが示唆された。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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