研究課題
基盤研究(A)
溶融チタン浴にチタンを溶融塩電解析出させることにより、チタンインゴットを直接得ることを最終目的とする.そのため、ESR装置を改良した新しい電解装置を設計・製作し、1)プロセスの熱解析、2)電流効率を支配する副次的電極反応の機構の検討、3)不純物の混入機構の検討を行った.まず、熱解析の基礎データである使用CaF_2-CaO-TiO_2スラグの電気伝導率を測定した.TiO_2濃度の依存性は小さいく、TiO_2の添加による電子伝導性の発現は認められなかった.従って、Ti源であるTiO_2がかなり高い濃度であっても、電解に支障がない.鋼のESRを行って、本装置の熱解析を行い、メタルプールの形状と電流・電圧条件の関係を明らかにした.TiのESRの場合、大気中では酸素のピックアップのためにO含有量があがり、融点が上昇することにより、スラグ温度をかなり高くしないとメタルプールは得られない.したがって、メタルプールを得るには、装置全体を不活性雰囲気で包む必要がある.CaF_2-CaOスラグを用いた単セルによる電析では、最大12%のカソード電流効率、100%以下のアノード電流効率しか得られなかった.この理由は、(1)Ca金属霧の生成とそのアノードでの再酸化、(2)生成Tiとスラグ中のTi^<4+>との反応によるTi^<2+>の生成とそのアノードでの再酸化、(3)電析したCaの還元力不足によるTi^<2+>の生成とそのアノードでの再酸化、などが考えられる.したがって、スラグ中TiO_2の添加量を適性にコントロールする必要がある.一方、スラグにAl_2O_3を添加した場合、70gの粒状電析物と約60%のカソード電流効率が得られた.この理由は(1)Al_2O_3がスラグ中に入ることにより、スラグ浴が高温に保たれた、(2)一旦生成したAlが効果的にTiの還元に寄与した、等が考えられる.この方法では、電析物中へのAlの混入は避けられないがTi-Alなどの合金製造には有効である.これらの実験結果を基に、ツインセル構造の電解装置を設計、製造し、運転した.これにより、プロセスの有効性が検証できた.それにより、「金属の溶融塩電解装置およびこの装置を用いた金属の製造法」なる特許出願を行った.また、実験の成果は学術誌論文1編、国際会議報告5報にまとめた.
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Proc. the Sohn International Symposium, San Diego (掲載決定)
Proc.The Sohn Internantional Symposium, San Diego (in printing)
Journal of Rare Earths 23・Spec.Issue
ページ: 21-25
Proc. 1^<st> Asia and 9^<th> China-Japan Bilateral Conference on Molten Salt Chemistry and Technology, Wuhu
ページ: 78-81
ページ: 113-115
Proc. MS7 International Symposium on Molten Salts Chemistry and Technology, Toulouse
ページ: 135-138
Proc.1^<st> Asia and 9^<th> China-Japan Bilateral Conference on Molten Salt Chemistry and Technology, Wuhu
Proc.MS7 International Symposium on Molten Salts chemistry and Technology, Toulouse
Proc. Ti-2003 Science and Technology, Hamburg vol.1
ページ: 221-228
Proc.Ti-2003 Science and Technology, Hamburg vol.1