研究分担者 |
馬越 大 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (20311772)
後藤 祐児 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (40153770)
土戸 哲明 関西大学, 工学部, 教授 (50029295)
島内 寿徳 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (10335383)
吉本 誠 山口大学, 工学部, 助手 (80322246)
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研究概要 |
本研究課題では,ストレス負荷条件でのタンパク質の構造異常ならびに細胞膜等との動的相互作用を特徴付ける『局所的疎水性(LH)・ゆらぎ』に着目し,これらを体系的・定量的を解析・制御する手法を確立する事を目的とする.そのケーススタディとして,Amyloid-β(Aβ)を始めとする各種タンパク質の構造異常性を微量サンプルから高速で解析・診断し,さらには構造異常疾患を治療するシステムを開発する事を目標とする.平成15年度では,タンパク質構造異常性の解析診断するシステムの基盤技術の確立を試みた.生体類似膜(リポソーム),あるいは,疑似生体膜(導電性高分子薄膜)をセンサ素子として,タンパク質の構造異常性の解析に適したストレスセンサを開発するための基本的な設計指針を見出した.その際,センサ素子の固定化・マルチアレイ化などの周辺技術については既存の技術を利用し,また,信号検出方法としては誘電分散解析法,抵抗値測定法,水晶振動子法を採用した.また,本年度導入した蛍光顕微鏡を用いてタンパク質共存下におけるリポソーム表面が観察可能であり,既存の画像解析処理装置を用いてタンパク質の構造異常化を直接解析する可能性が示された.上述の方法のみならず,水性二相分配法・固定化リポソームクロマトグラフィー,あるいは従来法(円二色性スペクトル,ゲル浸透クロマトグラフィー,蛍光法など)を用いて,各種ストレス条件下における対象タンパク質(Aβなど)の構造異常性(構造状態)を解析した.解析結果に基づいて,センサ特性,表面特性(局所的・全体疎水性,表面・局所電荷など)・構造状態・ゆらぎなどのタンパク質構造異常性を基本軸として,タンパク質の構造異常性データベースの拡充を図った.
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