研究概要 |
実験では矩形断面の片側のみ2°で拡大するダクトを作成し,入り口マッハ数1.8および1.5で,単一の窒素あるいは水素/窒素プラズマトーチを用いて実験を行った。プラズマトーチは拡大ダクトの入り口付近あるいは中央部のどちらかに取り付けた。入り口マッハ数が1.5および1.8のいずれでも,プラズマトーチ噴射孔より上流まで遡る擬似衝撃波は形成されなかった。しかし,入り口マッハ数1.5で全投入パワーが大きい場合には,噴射孔の下流で気流の平均的マッハ数が1以下になったと思われる挙動を示した。2つのプラズマトーチを作動させて空間的に加熱分布を与えるための予備実験を行った。今後,断面拡大角度の変更,拡大ダクト前後への一定断面抱くとの取り付けなど,形状を変化させ燃焼モード遷移についてさらにデータを得る。 数値シミュレーションにおいては,非反応流れに対する3次元ナビエ・ストークス方程式によるシミュレーションコードが完成し,等断面積ダクトに高温噴流を噴射した際に形成される流れ場のシミュレーションを行った。気流への投入エネルギーがあまり大きくない場合には,実験結果とよく一致する圧力分布が得られた。投入エネルギーが大きい場合には,プラズマジェットを模擬する噴射流の総温が高くなりすぎることと,噴射孔形状を正方形としていることから,計算が発散し結果を得るにいたっていない。また,等断面および拡大流路について,背圧をかけることによって生じる擬似衝撃波の計算を行いその特徴を調べた。
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