研究課題/領域番号 |
15206093
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
安部 隆士 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙輸送工学研究系, 教授 (60114849)
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研究分担者 |
船木 一幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙輸送工学研究系, 助教授 (50311171)
大津 広敬 静岡大学, 工学部, 助手 (20313934)
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キーワード | 空力加熱 / プラズマ流 / 電磁流体 / 再突入 / 宇宙往還機 |
研究概要 |
弱電離プラズマ流中の磁化された物体周りの温度計測を行った。計測として、発光分光法による電子温度および、吸収分光法による並進温度の計測を行った。電子温度、並進温度の空間プロファイルは両者の間でよい相関を示し、特にそのプロファイルから、衝撃波の位置など、流れの構造が明瞭に把握可能である。電子温度、並進温度の空間プロファイルは、ともに、磁場の強さに依存し、プロファイルの磁場による変化は、磁場の強度と合理的相関があることが判明した。即ち、磁場の効果により、衝撃波の位置は、磁場の強度に依存して物体からより離れることになる。このような傾向は、理論的に予想されたものと一致しており、理論の裏付けとなるものである。次年度は、この効果をさらに強めることを模索して、物体の形状効果、磁界の強さ依存性について検討を進める。 この効果の実飛行環境での把握を目的として、実験的研究に併行して、シュミレーション法の開発を行った。実飛行環境下では、従来の解析では考慮されていない、ホール効果が重要であることが判明しており、ホール効果が反映されるシミュレーション法の構築を行った。予備的な検討では、ホール効果を反映したシミュレーションにおいても、実飛行環境下で、磁界の効果による空力加熱量の低減が25%程度見込まれることが判明しており、次年度以降、詳細な検討を加えることにする。実験状態の再現を目指したアルゴンプラズマ流のシミュレーションの開発を進めており、次年度、実験との比較検討を進める。 本年度の成果の一部は、米国航空宇宙学会を含む数カ所における国際会議において、発表されている。
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