研究課題
惑星大気に宇宙空間から突入飛行する機体は、大気を高速飛行中、自身の生成する高温大気に晒されるため、これを制御することが最大の課題となっている。従来は、機体を耐熱構造化することで受動的に制御をして来ている。これに対し、本研究では電磁力を利用した制御の方法を模索し、その実現性を実験、理論の両面から追求した。実験として、小型の高温弱電離プラズマ風洞中に磁化された模型を設置して、その周りの温度場を直接計測することにより、電磁力の効果を明らかにした。この目的のため、吸収分光法による温度計測法を開発し、強磁場環境下でも適用可能とした。従来研究は、流れの可視化など間接的な計測のみであり、本研究により初めて直接的な計測が行われたものである。実験結果は、理論の予想どおり、電磁力効果により衝撃層の増大が起こることを示している。この結果は、この効果の実機への適応に際して必要となる数値解析法の開発に必要な実験的基礎を与えるものである。理論的検討として、数値シミュレーションの技法を用い、実験を再現出来ることを確認した。また、機体の表面の効果として、表面の電気伝導性が本効果に与える影響を予測するとともに、それを実験的にも確認している。さらに、実飛行環境における本効果の有効性を確認するため、実飛行環境で予想される弱電離プラズマ環境を再現するとともに、その環境における電磁力の効果を予測し、その有効性を確認した。本研究により、基礎的な原理の把握、さらに原理の応用性が確認されたことになる。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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