研究課題/領域番号 |
15206095
|
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
大津 皓平 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (40016944)
|
研究分担者 |
庄司 るり 東京海洋大学, 海洋工学部, 講師 (50272729)
萩原 秀樹 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (30126338)
大島 正毅 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (50242318)
安田 明生 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (00023250)
|
キーワード | 海事衛星 / 測位衛星 / 海洋ブロードバンド / Kuバンド通信 / 船陸間通信 / 船舶の誘導制御 / ルネベルグアンテナ / レンズアンテナ |
研究概要 |
今年度は本研究の最終年度として、 1.海事衛星による船陸間大容量通信(海洋ブロードバンド)を用いた次世代型の船舶の運航体勢確立のための実証実験と普及活動 2.GPSを用いた新たな誘導方式による船舶の自動誘導に関する実験 3.海洋ブロードバンド用のKuバンド舶用衛星追尾アンテナの実証実験 を実施した。 成果 1について:これまで2隻(本学汐路丸、航海訓練所銀河丸)に加え新たに国内内航船の大手オペレータである宇部興産海運の新栄丸に衛星追尾アンテナを装備して本格的な長期間の実証実験を行った。この結果、登り下りとも最高通信容量2MBPSを達成し、船舶における高速インターネット環境の実現、リアルタイム画像伝送の実現、高速大容量データの送受信、音声の送受信、IP電話、WiFi機能の実現が船陸間で高速でできることを確認した。、この結果から次世代の船舶管理、フリート管理、運航管理、機関管理、故障管理、遠隔治療、ドキュメント管理、荷役管理、気象、海象データの取得による安全運航の実現等に関して、提唱してきた新しい船陸間高速大容量通信(いわゆる海洋ブロードバンド)ネットワークは、大きな基盤技術となることを証明した。 2について:開発された海洋ブロードバンドネットワークを用い本学汐路丸および銀河丸を陸上から舵、スラスタ、エンジンなどを制御し、船を移動させたり停止させたりする実験を行い、陸上から船舶の周囲をカメラでモニターしながら船舶を任意の姿勢に誘導する世界で初めての実験に成功した。この成果は、今後人員不足に悩む内航船に光明をあてるものとして期待される。 3について:普通の衛星アンテナは1アンテナ1衛星であるが、今回1アンテナ複数送受信可能なルネベルグ型レンズアンテナと呼ばれるアンテナを動揺する船からも送受信可能なアンテナに改良し、水平安定度として縦揺れ、横揺れ、船首揺れに対して0.2度以内を補償する新たな原理による高精度舶用衛星追尾アンテナのプロトタイプ開発を行い実船実験に成功した。このシステムは現在特許申請準備中である。
|