研究課題/領域番号 |
15206104
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
兒玉 了祐 大阪大学, レーザ核融合研究センター, 助教授 (80211902)
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研究分担者 |
近藤 公伯 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80225614)
白神 宏之 大阪大学, レーザ核融合研究センター, 助教授 (90183839)
田中 和夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70171741)
重森 啓介 大阪大学, レーザ核融合研究センター, 助手 (50335395)
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キーワード | 超高強度レーザー / 高速点火 / 高速加熱 / 高エネルギー粒子 / 高エネルギー電子輸送 / 等体積加熱 / プラズマフォトニックデバイス / 核融合 |
研究概要 |
レーザー核融合高速点火方式において最も重要な課題の1つである加熱機構を実験的に調べることが、本研究の目的である。高速点火における効果的なプラズマ加熱は、超高強度短パルスレーザーにより生成される高密度高エネルギー粒子により高密度プラズマを瞬間的かつ局所的に加熱することである。その機構を明らかにしより効果な加熱のためのデータベースを構築する、このために本年度、以下の実験をおこなった。 「シリンダー爆縮による大面密度加熱」 これまで、コーン付球殻ターゲット爆縮による高密度プラズマをペタワットレーザーで加熱した。この爆縮プラズマは密度は固体の50-100倍程度であるが、大きさとしては30μm程度であり、将来の点火実験で要求される大面密度(0.3-0.5g/cm^2)に比べ小さい。そこでコーン付シリンダーを爆縮し固体密度の10倍程度であるが、500μm長のプラズマを作り加熱実験を行った。シリンダー爆縮により、コーンの先端に長い高密度プラズマを安定に作ることができた。またこれをPWレーザーで加熱することに成功し、3桁近い中性子の増加、X線像の変化、長い高密度プラズマを抜ける電子スペクトルの変化を観測することに成功した。実験結果は、広がり角をもつ電子が長いプラズマ中を自己閉じ込め効果により効率よく加熱していることを示唆するものであった。本実験の成果は、将来の点火プラズマを模擬するのみならず、高密度高エネルギー電子による加熱機構の詳細、コーン付シェル爆縮過程でコアプラズマとコーン先端間に発生するジェット状のプラズマ加熱と電子ガイド効果を調べる上でも重要な結果である。今後詳細なデータ解析とシミュレーションによりこれらの物理機構を明らかにし論文化する予定である。 「超高強度レーザー生成高密度プロトンの収束とプラズマ加熱」 より局所的な加熱が可能な超高強度レーザー生成高密度高エネルギープロトンによるプラズマ加熱を実験的に調べた。プロトン発生機構を考慮し発生プロトンをAlの加熱体に集光させることで、局所的に100eV以上に加熱することができた。これの結果は、高速点火のみならず等体積加熱法による物質状態方程式の精密測定に役立つものである。この結果は、早急に論文化する予定である。 「超高強度レーザーとコーンターゲットとの相互作用」 様々なタイプのコーンターゲットとペタワットレーザーを相互作用させることで加熱に最適な形状をデザインするためのデータを得た。また同時に、プラズマ(プラズマフォトニックデバイス)を利用して発生する高密度高エネルギー電子、プロトンを収束させる事に成功した。
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