研究課題/領域番号 |
15206110
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石橋 健二 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00159766)
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研究分担者 |
執行 信寛 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40304836)
有馬 英彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20253495)
中村 尚司 東北大学, 大学院・工学研究科, 名誉教授 (70026029)
千葉 敏 特殊法人 日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 主任研究員 (60354883)
明午 伸一郎 特殊法人 日本原子力研究所, 大強度陽子加速器施設開発センター, 副主任研究員 (80354728)
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キーワード | 中性子入射 / 中性子生成二重微分断面積 / アンフォールディング / 運動源模型 / GNASH / 液体有機シンチレータ |
研究概要 |
今年度は、前年度に収集した実験データの解析方法を改良した。従来は、FERDOコード等と検出器の応答関数を用いて検出器の発光量信号をアンフォールディングすることにより、中性子エネルギーに変換していた。しかしながら、主な中性子生成過程が、蒸発過程から前平衡過程に変わってくる10MeVから20MeV近辺で、特に前方においてアンフォールディングが困難であった。そこで、得られるべき中性子のエネルギースペクトルは運動源模型に依存する仮定した。この模型は中性子の生成過程を蒸発過程、前平衡過程、核内カスケード過程に分けている。実験ではこの他に弾性散乱の成分も測定したので、運動源模型にこの成分を追加した。実験データをアンフォールディングして、最小自乗法を用いて、運動源模型と弾性散乱で必要となるパラメータを求めることした。後方では核内カスケード成分は非常に小さいので、蒸発過程と前平衡過程のみとした。この結果、入射中性子のエネルギーが25MeVから100MeVにおいて、良好な実験結果を得られた。この結果から、100MeV程度で有効とされているGNASHコードは後方の中性子生成を再現できないことが明らかとなった。一方、入射エネルギーが100MeV以上の場合は、さらに準弾性散乱成分が含まれる。実験に使用した液体有機シンチレータNE213は、大きさが直径127mm、長さ127mmとそれほど大きくないので、弾性散乱と準弾性散乱、核内カスケード過程の高エネルギー部分を弁別するのが困難であることがわかった。
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