研究概要 |
ERECTA遺伝子は、主に茎頂分裂組織と器官原基の全域で発現していることがわかっており、CLAVATA遺伝子、BRI1遺伝子との類推から二量体を形成し何らかのリガンドにより活性化・機能することが予想される。 第一段階として、発現部位を限定させた植物の表現型を検討した。L1層特異的発現遺伝子PDF2,葉原基特異的遺伝子AS1,シュート頂特異的遺伝子CLV3,の発現調節領域にERECTA遺伝子を結合させた遺伝子を作成した。このような遺伝子をer-null変異体であるer-105変異体に導入した。花序形態、莢の形態につき、変異の相補をすることはできなかった。その原因につき、解析している。 現在、発現部位・発現量の詳細と、表現型の対応について詳しく解析している。 ER遺伝子機能の解析には、その発現調節機構の理解が必須であると考えた。そのためにER発現に関わる遺伝子、ERECTA Binding Protein 1,ERBP2遺伝子の研究を発展させた。両方のノックアウト型突然変異体を同定していた。erbp1変異体は弱い欠損を示すが、erbp2変異体は目立った突然変異表現型を示さなかった。この二重突然変異体を作成した。この変異体は、芽生えseedlingの時期で発生停止することを見いだした。胚発生の初期から詳細に観察すると、両方の頂端分裂組織の原基ができていないように見えた。 現在、胚発生の詳細な形態的変化を観察している。
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