研究課題
基盤研究(A)
植物のペルオキシソーム機能分化を解明する目的で、グリオキシソーム及び緑葉ペルオキシソームを単離し、そのプロテオーム解析とペルオキシソーム局在タンパク質遺伝子のトランスクリプトーム解析から、植物のペルオキシソーム機能分化の様式が明らかとなった。ペルオキシソーム形成が異常になったシロイヌナズナの変異体(apm変異株)を解析することにより、ペルオキシソーム形成に関わる因子を同定し、ペルオキシソーム形成因子から可逆的オルガネラ分化転換に働く分子メカニズムの解明を目指した。apm1変異体のペルオキシソームは、糸のような細長い構造をとっており、細胞内の数も減少する。このことからapm1変異体は、ペルオキシソームの分裂が抑制された変異体であると考えられた。この変異体において、ミトコンドリアは巨大化しており、このapm1変異がペルオキシソームの分裂のみならず、ミトコンドリアの分裂も抑制していることが明らかとなった。apm1変異は劣性であり、その原因遺伝子を同定したところ、APM1遺伝子はダイナミンファミリーのタンパク質の1つ、DRP3Aをコードしていた。この結果からapm1変異体の原因遺伝子がDRP3Aであること、同一のDRP3A分子がペルオキシソームとミトコンドリアの両オルガネラの分裂に関与していることが初めて明らかにされた。apm2およびapm4変異体はともにGFPの蛍光がペルオキシソームのみならずサイトゾルでも観察される。このことからapm2およびapm4の原因変異体は、PTS1タンパク質の輸送経路に異常をきたしている。マッピングを行ったところAPM2とAPM4遺伝子は、ペルオキシソーム形成因子の一つであるPEROXIN13(PEX13)とPEX12をコードしていることが明らかとなった。APM2およびAPM4とGFPとの融合遺伝子を一過的に発現させたところ、共にペルオキシソーム膜上に局在した。これらの結果からAPM2/PEX13とAPM4/PEX12はペルオキシソーム膜上でPTS1およびPTS2両輸送経路に関わる因子であることが明らかとなり、可逆的ペルオキシソーム分化を支えるタンパク質輸送機構の分子メカニズムの1つが明らかにされた。
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