研究課題/領域番号 |
15207008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
戸田 正憲 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40113592)
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研究分担者 |
金子 信博 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (30183271)
片倉 晴雄 北海道大学, 理学研究科, 教授 (40113542)
木村 正人 北海道大学, 地球環境科学研究科, 教授 (30091440)
日浦 勉 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (70250496)
大原 昌宏 北海道大学, 総合博物館, 助教授 (50221833)
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キーワード | コナラ属 / 森林土壌分解系 / 樹冠観測システム / 生物参照標本 / 生物多様性 / 生命情報 / 野外実験 / リレーショナルデータベース |
研究概要 |
北海道大学苫小牧研究林(TOEF)内のコナラ属樹種に生息する生物群集を解明するために、工事現場用の鉄パイプや階段を用いて高さ15-18mのジャングルジム状の構造物を10基建設し、ミズナラ8個体、カシワ14個体、コナラ3個体、雑種15個体の、ほぼすべての枝葉の観察や採集が可能になった。 実際の生物インヴェントリーに関しては、季節消長と昆虫の寄主範囲をいくつかの生物相について明らかにした。まず、キャノピーノックダウン法によって、ミズナラに生息する植食者、捕食者、分解者の各ギルドの種構成と季節消長が明らかになった。アブラムシ類5種については寄主の同定および種の分類見直しが行われ、潜葉性昆虫相、地上俳徊性昆虫、ミミズ群集に関しても季節消長や、群集構造が明らかになった。また、チャタテムシ目からは一新種を発見し、記載した。 群集およびその構成種の生態的な側面に関しては、実験的な手法により、種間の相互作用の一部が解明された。環境変化が植物を通し、どのように植食性昆虫に影響するかを明らかにするために、林内の一部を窒素施肥・伐採し、ミズナラの被食率を調べたところ、窒素施肥・伐採ともに、餌としてのミズナラ葉の質が上がることが示唆された。また、本来は分解されにくいミズナラ落葉は、キタコブシの落葉と混ざることにより、分解が早まることがわかった。エゾシカの食害圧がミズナラ林の植生に与える影響を調べるために、エゾシカの囲い込み区および排他区の設置も行った。 これらの成果の一部は、すでにHP上で公にするとともに、より利用しやすい形で提供するために、北海道大学総合博物館と連携し、コンピューター上で閲覧できるデータベースに掲載することを予定している。
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