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2006 年度 実績報告書

リボソームトンネルの生物機能

研究課題

研究課題/領域番号 15207011
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 維昭  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90027334)

キーワード蛋白質膜透過 / SecM / SecA / リボソーム / 翻訳制御 / タンパク質分泌
研究概要

secM-secAオペロンの先頭の遺伝子産物であるSecMはそのC末端付近に特異な「アレスト配列」をもち、それが翻訳途上でトンネル構成成分と相互作用することにより自らの翻訳伸長を停止する。SecMにおける翻訳伸長停止の分子機構を解明し、リボソームがアレストに必須なPro166のコドンがAサイトに位置した状態で停止し、Gly165とProl66間のペプチド結合が形成されないこと、および、アレスト状態の翻訳複合体において、リボソームAサイトにはprolyl-tRNAが位置していることを発見した。SecM翻訳複合体が膜にターゲットされる仕組みによって、同一mRNAの下流域でコードされるSecAが膜分泌装置の近傍で合成されることが保証され、新生SecAが直ちに働くことができるような構造をとりやすくなるとの,我々が提唱したSecA機能の制御機構の理解を深めるため、SecAの構造と機能に関して解析した。高度好熱菌SecAの結晶構造を決定し、それが従来の報告とは異なる並行型2量体構造を取ることを発見した。また、溶液中に於いてSecAが複数の2量体構造を取り得ること、それらが平衡状態にあり、機能するためには大幅に解離する必要があることを示した。また、SecAの長いαらせんがATPase機能を膜透過駆動機能に転換する上で重要な役割を果たすことを示すと同時にSecYにおけるSecAとの近接部位を複数同定し、トランスロコンと駆動蛋白質が異なる様式で相互作用することを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Genetically encoded but non-polypeptide prolyl-tRNA functions in the A-site for SecM-mediated ribosomal stall2006

    • 著者名/発表者名
      Muto, H., Nakatogawa, H., Ito, K.
    • 雑誌名

      Molecular Cell 22

      ページ: 245-552

  • [雑誌論文] 分泌モニターSecMが明らかにした新しい概念2006

    • 著者名/発表者名
      武藤洋樹, 伊藤維昭
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 51

      ページ: 2583-2589

  • [雑誌論文] Different modes of Sec Y-SecA interactions revealed by site-directed in vivo photo-crosslinking2006

    • 著者名/発表者名
      Mori, H., Ito, K.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103

      ページ: 16159-16164

  • [雑誌論文] The long -helix of SecA is important for the ATPase coupling of translocation.2006

    • 著者名/発表者名
      Mori, H., Ito, K.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 281

      ページ: 36249-36256

  • [雑誌論文] Crystal structure of the translocation ATPase SecA from Thermus thermophilus reveals a parallel, head-to-head dimer.2006

    • 著者名/発表者名
      Vassylyev, D.G., Mori, H., Vassylyeva, M.N., Tsukazaki, T., Kimura, Y., Ito, K.
    • 雑誌名

      J. Mol. Biol. 364

      ページ: 248-258

  • [雑誌論文] Cloning, expression, purification, crystallization and initial crystallographic analysis of the preprotein translocation ATPase SecA from Thermus2006

    • 著者名/発表者名
      Vassylyeva, M.N., Mori, H., Tsukazaki, T., Yokoyama, S., Tahirov, T.H., Ito, K., Vassylyev, D.G.
    • 雑誌名

      Acta Cryst. F 62

      ページ: 909-912

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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