研究課題/領域番号 |
15207018
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
林 茂生 独立行政法人理化学研究所, 形態形成シグナル研究グループ, グループディレクター (60183092)
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研究分担者 |
津田 玲生 独立行政法人理化学研究所, 形態形成シグナル研究グループ, 研究員 (30333355)
井上 淑子 独立行政法人理化学研究所, 形態形成シグナル研究グループ, 研究員 (60217916)
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キーワード | ショウジョウバエ / Notch / Deltex / 付属肢 / Nedd4 / エンドサイトーシス / ユビキチン |
研究概要 |
付属肢形成に関わる新規因子を同定することを目的としたスクリーニングを行った。ショウジョウバエのGene Search(GS)法を利用して付属肢で遺伝子を強制発現させ、形態形成に異常を来す表現型を検索した。約6000のGS系統を検索した結果、脚の分節化、翅の成長、翅脈の形成に異常を生じさせる遺伝子Nedd4を見いだした。Nedd4はHECTタイプのユビキチンリガーゼで酵母から人までよく保存されており、膜結合蛋白質の分解を引き起こすと共に細胞内輸送の標識として用いられる。我々はショウジョウバエにおいてがNotchシグナル伝達系を制御することを見いだした。すなわちNedd4の活性化はNotchを抑制し、Nedd4の機能欠損はNotchの機能欠損に由来する形態異常を抑制した。従ってNedd4はNotchの抑制因子であると結論した。Notchは動物界に広く保存されたシグナルレセプターでリガンド結合により引き起こされる細胞内ドメインの切断により活性化される。Nedd4はNotchに結合し、ユビキチンを付加することでNotchシグナルの正の制御因子Deltexと主に分解経路に導く。ユビキチン化活性を失ったNeddd4変異体はNotchを細胞膜表面に滞留させ、リガンド非依存的にNotchシグナルを活性化させた。従ってNedd4はリガンド結合前のNotchを恒常的にエンドサイトーシスと細胞内のソーティング経路を介して蛋白分解経路に導くことでNotchシグナルを抑制するものと考えられた。
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