研究課題/領域番号 |
15207025
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
原田 一 東北工業大学, 工学部, 教授 (70156511)
|
研究分担者 |
畠山 英子 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (50103180)
両角 清隆 東北工業大学, 工学部, 教授 (50337193)
梨原 宏 東北工業大学, 工学部, 教授 (40128971)
|
キーワード | 脳血流 / 脳活動評価 / 精神的負担 / 生理的多型性 |
研究概要 |
本研究では、脳血流変化による脳活動評価について生理的多型性の視点から分析を行うことを目的とし、精神的負担を与えた時の脳血流の測定を行った。脳血流の測定には近赤外線酸素モニタ(NIRO-300)を用いた。男子大学生7名(18〜23歳)、女子大学生3名(21歳)を被験者として、計算および図形課題を与え、解答中の脳血流量変化を左右の前頭部より計測した。性役割測定(BSRI)、特性不安検査(STAI)を用いて、被験者を4群(男性性が強いタイプ、女性性が強いタイプ、中間的なタイプ、どちらも弱いタイプ)に分け、脳血流変化との関連性を分析した。脳活動と4つのタイプとの関連性は明確ではなかったが、男性よりも女性の脳血流量変化量は小さく、男性性が強い女性は男性に近い変化を示す傾向が見られた。 また、男子大学生8名(21〜22歳)、女子大学生1名(21歳)にて、計算、図形、国語、理科、社会の問題を解答中の脳血流変化を左右の前頭部より測定した。計算が得意な被験者では脳血流変化量は小さい傾向にあった。同程度の精神的負担を与えて、脳活動を上昇させても、脳血流の変化量が少ない被験者では、精神的負担をそれほど感じていないことが示唆された。しかし、心理評価では容易であると感じていても、脳血流は上昇する場合もあった。 さらに、女性1名(21歳)、男性1名(50歳)の被験者で高速道路を運転中に脳血流量の変化を測定した結果、トンネル入口、警察車両の通過、会話時に脳血流の増大が見られた。ビデオ解析による運転中の会話と認知機能の観点から分析を行った結果、会話の内容や会話が受動的か能動的かにより、脳血流変化に影響が見られた。測定結果の解釈には脳血流の上昇、減少もしくは変化がないこと、あるいは脳血液量の増減を考慮する必要がある。 赤外線酸素モニタシステム(TRS)は脳血流変化の絶対値を計測することが可能であるが、現在、安静時のデータを蓄積している。TRSはNIRO-300と比較して被験者への負担がやや大きいため、TRSで得られたデータとNIRO-300による計測結果を併用して活用する必要がある。
|