研究課題/領域番号 |
15207025
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
原田 一 東北工業大学, 工学部, 教授 (70156511)
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研究分担者 |
梨原 宏 東北工業大学, 工学部, 教授 (40128971)
両角 清隆 東北工業大学, 工学部, 教授 (50337193)
畠山 英子 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (50103180)
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キーワード | 脳血流 / 脳活動評価 / 精神負担 / 生理的多型性 / テクノアダプタビリティ |
研究概要 |
本研究は脳血流変化による脳活動評価について生理的多型性の視点から分析を行うことを目的とし、様々な精神的負担を与えた状況での脳血流の測定を行っている。本年度は時間分解分光法による近赤外線酸素モニタ(TRS-10)および空間分解分光法による近赤外線酸素モニタ(NIRO-300)を併用し、若年者と高齢者の運転時の脳活動変化について計測を行った。男子大学生12名(21〜23歳)、高齢者8名(64〜80歳)を被験者として、往復9.5kmの運転実験を行った。室温25℃、相対湿度45%の実験室にてTRS-10を用い、左右の前頭部より安静時の脳内酸素濃度測定、光路長算出を行った。運転時にはTRS-10による測定時に装着したセンサーとほぼ同じ位置にNIRO-300のセンサーを装着し測定を行った。センサー位置に大きな誤差がなければ、TRS-10と同様脳内酸素濃度(脳血流)の絶対値を得ることが可能となる。 安静時の前頭部脳血流は若年者と比較して高齢者では低い値を示した。若年者13名中10名は運転に比較的慣れていた。実験コースは道幅が狭い1車線の車道と3車線の幹線道路での走行であったが、高齢者の場合、狭い道路にて40kmで走行時に比較的車間距離が短い(30-40m)被験者では、ブレーキ操作前後における脳活の変化が大きく、車間距離にゆとりがある(40-50m)被験者では、脳活動の変化が少ない傾向が見られた。若年者では普段運転している場合には、車間距離が短い(10-20m)被験者と車間距離にゆとりがある(40-50m)被験者ともに脳活動変化は比較的小さく、車間距離による脳活動変化の違いは少なかった。普段あまり運転しない若年被験者では比較的脳活動の変化が大きかった。運転時の脳活動レベルは比較的小さく、安定して運転している状況では、安静値と同等もしくは低下する場合もあり得ると考えられる。今後は被験者数を増やし、多型性との関連からの分析を行う。
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