研究課題
MdPIゲノム上流領域1.0kbをレポーター遺伝子(GUS)につないだベクターを構築し、シロイヌナズナに導入し、発現組織の解析を行った。GUS染色はシロイヌナズナの花弁、雄ずいでのみ見られ、MdPIの発現制御がシロイヌナズナのクラスB遺伝子と同様であることが明らかになった。また、リンゴのMdPIがシロイヌナズナのPI遺伝子と機能的に相同であるかを調べるためにpiミュータントにMdPIを導入し、表現型回復実験を行った。花弁はほぼ完全に回復したが、雄ずいは部分的に回復した。これもシロイヌナズナのPIと同様な性質であることが示された。リンゴのクラスB遺伝子に相当するMdPIおよびMdTM6をリンゴ品種'王林'および'Greensleeves'にアグロバクテリウム法で導入を試み、その結果MdPI形質転換'王林'(以下'MdPI 王林')およびMdTM6形質転換'Greensleeves'(以下'MdTM6 GS')を獲得した。形質転換体作成の過程でAgrobacterium法の条件設定を行った。その結果、葉切片の葉面積の拡大過程と除菌方法の改良が形質転換体獲得効率向上のために重要であることが明らかになった。次年度は作出した'MdPI 王林'および'MdTM6 GS'の開花促進を行う。リンゴ(Malus domestica Borkh.)'印度'から単離したクラスB MADSタンパク質相同cDNAクローンMdTM6とMdiMADS13については、それぞれアンチセンス遺伝子導入ベクターpMSK-antiMdTM6とpMSK-antiMdiMADS13を構築し、リンゴへ導入中(岩手大学)である。MdPI遺伝子欠損品種群についてS遺伝子ならびにSSRマーカー解析を行ったところ、'Wellington Bloomless'と'Wickson'は近縁であり、これらと'Spencer Seedless'、'Noblow'は遺伝的に離れていることが示された。4品種とも単為結実能を有することから、クラスB遺伝子の変異が単為結実能に結びついていることが示唆された。
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