研究課題/領域番号 |
15208004
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研究機関 | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
研究代表者 |
和田 雅人 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 果樹研究所・リンゴ研究部, 主任研究官 (40241773)
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研究分担者 |
小森 貞男 岩手大学, 農学部, 助教授 (00333758)
松本 省吾 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90241489)
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キーワード | 単為結実 / クラスB変異 / リンゴ / MdPISTILLATA(MdPI) / MdMADS13 / MdTM6 / MADS遺伝子 |
研究概要 |
リンゴのクラスB遺伝子はMdPISTILLATA(MdPl)、MdMADS13、MdTM6が同定されており、花器官のクラスB変異はMdPIの機能欠失が原因である。そこでMdMADS13、MdTM6の花器官別発現を、野生型と単為結実品種で比較した。野生型ではMdMADS13は、MdPIと同様に花弁と雄ずいにのみ発現したが、MdTM6はがくと子房での発現が高く、他の花器官でも発現した。クラスB変異品種では、MdTM6の発現は変化しなかったが、MdMADS13は発現量が低下し、MdPI同様にクラスB機能を持つことが示唆された。 MdPI遺伝子の転写制御がどのように行われているのか調査することを目的に、‘紅玉'のゲノムDNAからプロモーター部位を単離し、レポーター遺伝子としてGUSと融合させ機能解析を行った。ATG上流1kbの場合は花弁と雄ずいに特異的な発現が見られた。2kbのときは葉、花器官、茎頂部で発現が見られたが、1kbと2kb間の配列を用いた時は発現が見られなかった。従って、この部位にエンハンサーが含まれることが明らかになった。 リンゴ品種‘印度'から単離したMdMADS13を35Sプロモーターの下流にアンチセンス方向に組み込んだプラスミドを構築し、リンゴ品種‘王林'に感染させ形質転換体を作出することに成功した。転換体の確認は、PCR法およびゲノムサザンで行った。Agrobacteriumの感染からカナマイシン50mg/lで生育する転換個体を獲得するまで約9ヶ月であった。形質転換効率は1%以下で除菌方法と再分化培地の組成を改善することが重要と推察された。獲得した形質転換体は緑枝接ぎを行い隔離温室で成育中である。今後、開花促進を行い花器官の形態と単為結実性の有無について調査を行う予定である。
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