研究概要 |
(1)クラスB遺伝子、MdPI、MdMADS13、MdTM6についてリンゴの花器官形成時それぞれのin situハイブリダイゼーションを行った。それぞれの発現組織と単為結実性の関係を明らかにした。MdPIは、花弁と雄ずいで特異的に発現することがわかった。MdTM6は、花器官全般で発現し、特異性を示さなかった。その中でMdMADS13が、雄ずい、花弁以外で発現が認められたが、胚珠でも発現することが確認できた。特に単為結実品種ではMdMADS13は、胚珠以外でも子房壁で発現が誘導されることを明らかにした。また、MdPI欠損単為結実品種ではMdMADS13の発現の減少もみられたが、MdTM6の発現強度、組織への影響は見られなかった。 (2)形質転換リンゴの解析 MdPI,MdMADS13,MdTM6,MdiMADS13を導入した組換えリンゴのポット苗を組換え温室で栽培し、導入遺伝子の確認をゲノムサザン、およびノーザンで行った。現在成育中の個体はすべて遺伝子が導入されたものである事が確認できた。MdPIプロモーター:GUS組換え体は、早咲きの遺伝子も同時に導入しているが、開花が認められていない(07年4月現在)。ただし、同様の早咲き遺伝子を導入したリンゴ組換え体がこの4月に開花し始めているため、今後これらの組換え体も開花し、GUS染色によるプロモーターの解析が出来ることが期待できる。 (3)クラスB変異を持つ単為結実品種Spencer seedless, Wellington bloomless, Wickson, Noblowの4品種を含めた栽培種80種についてSSR解析を行い単為結実に関連する遺伝子マーカーの探索を行った。その中で、有望なものが得られているため、今後より詳しい解析が必要である。
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