研究課題/領域番号 |
15208008
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三枝 正彦 東北大学, 大学院・農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター, 教授 (10005655)
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研究分担者 |
南條 正巳 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60218071)
小山 博之 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90234921)
犬伏 和之 千葉大学, 園芸学部, 教授 (00168428)
大崎 満 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60168903)
山本 洋子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (50166831)
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キーワード | 酸性障害 / 超強酸性 / Al過剰障害 / 植物と土壌の相互作用 / 硫酸酸性土壌 / 茶樹 / クエン酸 / 遺伝子工学 |
研究概要 |
自然の超強酸性土壌である宮城県鳴子町の荒湯地獄を調査し、植生としてはススキ、ヤマタヌキラン、ヒメコマツ、オオバスノキ(ブルーベリーの仲間)等が主体を占めること、高い交換酸度の7割は交換性Alに由来するが、3割は水素イオンに起因し、Alの過剰障害の他に水素イオンの過剰障害が発生することを明らかにした。ブルーベリーの耐酸性はハイブッシュ系統より、ラビットアイ系統の方が強いこと、耐酸性機構としては有機酸放出以外の機構であることを明らかにした。一方、多肥による人工的超強酸性土壌である茶園土壌を静岡県島田市、掛川市で現地調査し、好Al植物と言われる茶樹も畝間の根が褐変、肥大していること、地下水湧出地域では溶出したAlの沈殿物が堆積していることを見出した。また黒ボク茶園土壌ではアロフェンやイモゴライトの生成阻害や溶解が起きていることを選択溶解法や29SiMR、電子顕微鏡観察で明らかにした。また畝間の交換樹脂抽出Pは表層で、60-250mgP205/kgを示し、表面流去水の発生でリン酸流出が引き起こされる可能性が指摘された。また硫酸酸性土壌に生育するAl集積植物メラストーマのAl集積形態はモノマーAlとAl-蓚酸、Alの移行形態Al-クエン酸であること、Alの根伸長促進効果は養分の存在下でのみ起こること、ムシラーゲ中で濃縮されたAlを吸収することを明らかにした。 イネのAl耐性機構を明らかにするために、Al感受性突然変異体を作成し解析したところ、Al耐性遺伝子は染色体6番に座乗し、1遺伝子で支配している。また耐性機構はクエン酸分泌ではなく、Al排除機構によるものと推察された。またAl耐性タバコ培養細胞株のペルオキシダーゼ遺伝子を解析し、根特異的なAl誘導性のAl耐性遺伝子であり、細胞質に局在し、グアイアコールペルオキシダーゼをコードしている可能性が見いだされた。シロイヌナズナのAl耐性を支配するQTL遺伝子のマッピングを行い、Atlg08430遺伝子がAl耐性に関係していることを明らかにした。
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