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2004 年度 実績報告書

大腸菌におけるリポ蛋白質の選別輸送と膜局在化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 15208009
研究機関東京大学

研究代表者

徳田 元  東京大学, 分子細胞生物研究所, 教授 (40125943)

キーワード蛋白質輸送 / 分子シャペロン / 再構成 / 大腸菌 / ABCトランスポーター / リポ蛋白質 / 膜局在化 / 選別シグナル
研究概要

大腸菌は、内膜または外膜のペリプラズム側にアンカーした90種以上のリポ蛋白質を持っている。+2位にAspを持つリポ蛋白質のみが内膜に局在する。外膜特異的リポ蛋白質は、Lolシステムの作用で内膜から遊離し外膜に運ばれる。LolCDE複合体が外膜特異的リポ蛋白質を認識して内膜から遊離する機構を詳細に解析し、リポ蛋白質とLolCDEの結合がATPの結合に先立つこと、ATPが結合するとLolCDEとリポ蛋白質の親和性が低下することを明らかにした。親和性の低下には、ATPの分解は必要でなく、結合エネルギーのみで低下することを明らかにした。LolCDEを脂質の種類を変えたプロテオリポソームに再構成し、選別に脂質が及ぼす影響を明らかにした。ATPaseサブユニットLolDの変異を抑制する膜サブユニットLolE、LolCの変異体を多数分離した。これらは、因子間の相互作用様式を解明するのに有用である。リポ蛋白質特異的分子シャペロンであるLolAの変異体を多数構築し、リポ蛋白質の結合と、LolBへの受け渡しには、LolAに存在する疎水性キャビティーの蓋の開閉だけでなく、リポ蛋白質結合部位の疎水性度が決定的に重要であることを明らかにした。また、LolB変異体の解析により、LolAからリポ蛋白質を受け取れない変異体、外膜に組み込めない変異体など、これまでに解析されていないLolBが関与する反応の分子機構を詳細に解明するために有用な実験系が確立できた。さらに、外膜リポ蛋白質であるLolBの外膜へのアンカーは機能に必須ではないことを利用し、効率よく多数の変異体を分離できる実験系を確立した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Sorting of lipoproteins to the outer membrane in E.coli.2004

    • 著者名/発表者名
      Tokuda, H
    • 雑誌名

      BBA-Molecular Cell Research 1693

      ページ: 5-13

  • [雑誌論文] Lipoprotein trafficking in Escherichia coli.2004

    • 著者名/発表者名
      Narita, S.
    • 雑誌名

      Arch.Micorbiol. 182

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] Overexpression of gnsA, a multicopy suppressor of the secG null mutation, increases acidic phosholpid contents by inhibiting phoshatidylethanolamine synyhesis at low temperature.2004

    • 著者名/発表者名
      Sugai, R
    • 雑誌名

      J.Bacteriol. 186

      ページ: 5968-5971

  • [雑誌論文] Effects of lipoprotein overproduction on the induction of DegP (HtrA) involved in the quality control of Escherichia coli periplasm.2004

    • 著者名/発表者名
      Miyadai, H.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 39807-39813

  • [雑誌論文] Targeted mutagenesis of five conserved tryptophan residues of LolB involved in membrane localization of Escherichia coli lipoproteins.2004

    • 著者名/発表者名
      Wada, R.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 323

      ページ: 1069-1074

  • [雑誌論文] 蛋白質輸送とエンベロープの形成(原核細胞)2004

    • 著者名/発表者名
      徳田 元
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 49

      ページ: 942-949

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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