研究課題/領域番号 |
15208011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長澤 寛道 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60134508)
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研究分担者 |
永田 晋治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40345179)
永田 宏次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30280788)
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キーワード | クルマエビ / 神経ペプチド / 受容体 / 共進化 / ペプチドホルモン / 脱皮抑制ホルモン / 血糖上昇ホルモン / 甲殻類 |
研究概要 |
クルマエビの眼柄ペプチドホルモンのうち血糖上昇ホルモン族ペプチド(脱皮抑制ホルモン(MIH)および血糖上昇ホルモン(CHH))について以下の結果を得た。 1.これまでにMIHの立体構造から推定された機能部位について主に表面に出ている残基について一残基置換およびN末端、C末端の数残基を欠失したペプチドを大腸菌を用いて調製し、それらの脱皮抑制活性を検定した。その結果、13、71、72残基目の置換が著しく活性を低下させたことから、これらの残基が直接受容体と相互作用しているものと推定された。また、C末端3残基の欠失は影響を及ぼさなかったが、N末端4残基の欠失は活性を低下させた。 2.CHHのすべての分子がC末端にアミド構造を有していることから、その前駆体であるグリシン付加体を調製し、血糖上昇活性を測定したところ、約1桁低下したことから、予想したとおりアミド構造が重要であることがわかった。 3.MIHを放射性ヨードで標識し、クルマエビのいろいろを組織の膜画分との結合を調べたところ、脱皮ホルモンの合成器官であるY器官に由来する画分だけに結合が見られたことから、受容体はY器官にのみ存在していることが推定された。また、この画分と化学架橋実験を行ない、電気泳動にかけたところ、約78kDaにバンドが認められたことから、受容体の分子量は約70kDaと推定された。 4.CHHの立体構造を解析するために、大腸菌発現系を用いてCHHを効率良く調製する方法を検討した。封入体として発現されたので、可溶化した後、リフォールディングおよびアミド化反応によって天然と同等の活性を有する組み換え体を得た。
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