研究課題/領域番号 |
15208021
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
熊谷 宏 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (20003139)
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研究分担者 |
清水 昂一 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80109553)
黒河 功 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90125310)
武部 隆 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 教授 (30093264)
北田 紀久雄 東京農業大学, 国際食料情報学部, 助教授 (20120131)
金田 憲和 東京農業大学, 国際食料情報学部, 助教授 (30297593)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 多自然居住地域 / 循環型社会 / 地域資源の循環型活用・管理 / 農村河川資源の循環型活用・管理 / 地域資源・環境の評価 / 環境管理(ガバナンス) / 多自然居住地域の圏域の組み立て / 農業・資源管理の担い手 |
研究概要 |
中山間地域の農業生産構造の再構築と農業・農村多面的機能の安定的確保のためには、地域資源の持続的活用とその管理システムの構築が最重要課題である。一方この課題は、当該中山間地域と隣接都市地域とが一体となった広域圏域、つまり「多自然居住地域」を形成し、ここにおいて両地域間の緊密かつ創造的な連携関係と循環型資源活用・管理構造が構築され、こうして圏域の「自立」が達成されるとき、その解決が可能になる。ここにおいて本研究は、地域資源の循環型活用・管理システムとこれを実現する多自然居住地域(圏域)の解明に挑んだ。 13名の研究メンバーがそれぞれの観点からこの課題に接近し、研究成果はすでに第1年度、第2年度の報告書(冊子体)で纏めている。第3年度(最終年度)は、新たな課題のもとで分析に取り組むと同時に、第1年度、第2年度の成果を含めて3年間の成果の取り纏めを進めた。学会誌等による公表にはまだ至っていないものを含めて、研究メンバー(研究協力者を含む)が作成した論文は大変に多い。第3年度の報告書(冊子体)にはこれらのなかの主要な18編を集録した。 本研究の成果として特に重要な点は以下のようである。(1)水田経営、畑作経営、畜産経営の観点から、資源の持続的(循環型)活用と環境の保全とを満足する農業生産方式を実証的に議論したこと。(2)広域地域の観点から、特に水資源(河川)の循環型活用の効果(評価)と促進・管理の方法を実証的に議論したこと。(3)市域の観点から、農業を含む循環型資源活用体系をそのなかに取り込むことに関する住民の評価を分析したこと。(4)自然環境の保全と資源の循環型活用との関わりを実証的に議論したこと。(5)マクロの観点から、産業と資源活用の連結性を実証的に分析したこと。(6)学童期児童の食育の観点から、循環型消費問題に実証的に接近した。(7)資源と環境の管理(ガバナンス)手法を理論的実証的に議論したこと。(8)以上の資源の循環型活用・管理の最大(最適)エリアとしての「多自然居住地域」の特徴と圏域設定とを実証的に議論したこと。(9)中山間地域における農業・資源管理の新たな担い手を実証的に議論したこと。 本研究の意義、方法、成果を広く確かめる目的で、第3年度11月に富山市で公開研究会を実施し、国・県・市町村・団体等から約30名の出席を得て議論を行った。本研究の成果は再度整理し、平成18年度に刊行助成を申請し、19年度に出版の予定である。
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