研究課題/領域番号 |
15209001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
升島 努 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10136054)
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研究分担者 |
平川 靖之 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (80238344)
杉山 政則 広島大学, 大学院・医薬学総合研究科, 教授 (30106801)
長谷川 朝美 広島大学, 医学部, 教務職員 (10379886)
櫨木 修 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80142751)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | ビデオ顕微鏡 / 質量分析 / ビデオマススコープ / 1分子イメージング / 細胞分子動態 / イメージング |
研究概要 |
分子同定のできる質量分析法と細胞などの生きたものの形態変化がミクロで捉えられる顕微イメージング法の結合により、生命科学研究法の夢である生きたまま細胞応答と分子メカニズムが同時に追跡できる手法を極限的な1分子レベルで可能となる開発を目指した。 1)高感度マススペクトロメーターの開発 従来のマイクロチャンネルプレート(MCP)検出器による限界に挑戦し、細胞1ヶでの検出に成功し、その生体反応と連動した分子分泌を質量分析法で捉えた。しかし、この検出器では検出能に限界があるので、より高感度なトンネル結合型極低温検出器による飛行時間型質量分析計を構築した。本検出器はMCP検出器では感度が落ちた高分子量の分子でも同じ感度を持ち、抗原抗体蛋白複合体の検出にも成功し、イメージングに応用した。 2)1分子イメージング法の開発 超高感度ビデオカメラと結合して、レーザーのマイクロポイント照射を可能とする1本の光ファイバーを使った照明法(ピンファイバービデオスコープ法と命名)で1分子イメージングを可能とした。これによりDNA1分子の伸縮や切断、そして、STAT1という、細胞質からシグナル伝達により細胞膜へそして更に核移行する分子の追跡に成功し、膜結合の際には、1分子が順に2ヶあるいは2ヶの分子が同時に結合する様子を解明した。 3)リアルタイムマススペクトロメトリー追跡法の開発 更にこれらを結合して、ビデオイメージング法で細胞の形態変化を追跡し、ある生体反応が起こった瞬間その細胞が放出した分子を質量分析法で捉える"ビデオマススコープ法"(我々の命名)を開発した。本手法により始めてアレルギー細胞が微細顆粒を放出するときに、ヒスタミンやセロトニンを放出している事とその時間経過を明らかにすることに成功した。 これらの手法はまだまだ未成熟であるが、今後さらに改善を続け、夢のライフサイエンス分析法として完成させる大きな基盤が形成できたと言える。
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