研究課題/領域番号 |
15209008
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
倉智 嘉久 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30142011)
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研究分担者 |
山田 充彦 信州大学, 医学部, 教授 (10263237)
日比野 浩 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314317)
石井 優 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324758)
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キーワード | G蛋白質制御カリウムチャネル / RGS蛋白質 / PDZ蛋白質 / カルモディリン / FRET |
研究概要 |
本研究の目的は、G蛋白質制御カリウムチャネル(以下K_G)の生理的機能を支える細胞内機能を分子構造レベルで、しかも動的に明らかにすることである。最近、研究代表者らはK_GチャネルシステムがRGS(regulator of G protein signaling)蛋白質とよばれるG蛋白質シグナルの調節因子により時間的・空間的制御を受け、種々の生理機能を果たしていることを見い出してきた。平成15年度に研究代表者らは細胞内Ca^<2+>の局所的上昇がCaMを介してRGS蛋白質を活性化しG蛋白質サイクルを負に調節し脱分極電位でのK_Gチャネルの開口確率の減少を誘起することを明らかしている。さらにその分子メカニズムとしてRGS蛋白質が基底状態ではホスホリン脂質の一種である、ホスファチディルイノシトール3リン酸(PIP_3)によって抑制され、逆にカルモデュリン(CaM)がカルシウム依存性にPIP_3による抑制を脱抑制する調節機構があることを明らかにした。平成16年度には新たに、ホスホリン脂質やCaMが如何にしてRGS蛋白質の機能を調節するかを明らかにするため、RGS蛋白質を発現・精製しホスホリン脂質との結合およびそれらに対するCaMの効果について検討し、CaMはカルシウム依存性にRGS蛋白質に結合し、PIP_3とRGS蛋白質の結合を解離させることが分かった。またPIP_3およびCaMとの結合はRGSドメイン上の塩基性アミノ酸残基上で行われていることを明らかにした。さらに研究代表者らは平成16年度中に、生細胞での蛍光イメージング技術FRETを用いてCaM/RGS相互作用を生体内で動的に可視化することに成功し、またRGS蛋白質の機能をシステムとして理解するため、G蛋白質サイクルの生理的な数理モデルを作成することに成功しつつある。(759字)
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