研究課題/領域番号 |
15209015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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研究分担者 |
広田 喜一 産業技術総合研究所HSSセンター, 主任研究員 (00283606)
増谷 弘 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (50252523)
中村 肇 京都大学, 医学部附属病院, 助教授 (70303914)
鍋島 陽一 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60108024)
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キーワード | チオレドキシン / チオレドキシン結合タンパク質 / レドックス / 老化 / 細胞増殖 / 遺伝子改変マウス / ビタミンD / 高脂血症 |
研究概要 |
1.遺伝子改変マウスの作製 (1)TBP-2/VDUP1ノックアウト(KO)マウス:組み換えES細胞のマウス胚へのインジェクションによってキメラマウスを得ていたが、生殖系細胞に入ったヘテロ接合体を確保し作製を終了した。さらにホモ個体の安定ラインを複数得ている。また、ノザンプロットにより種々の臓器でTBP-2の発現が消失していることを確認した。これまでの解析からKOマウスは、血清中の中性脂肪、コレステロールの値が高く、高脂血症の症状を示すことが明らかとなった。現在、遺伝子チップ解析を継続して行っている。 (2)TBP-2/VDUP1トランスジェニック(TG)マウス:発現ベクターのコンストラクトを終了していたが、理化学研究所の協力を得て、マウス胚へのインジェクションを行い複数のヘテロ接合体を得て作製を終了した。現在、ホモ接合体の安定ラインの確保を目指している。ヘテロ接合体での予備的解析からTGマウスでは血清中の中性脂肪やケトン体の値が低いことが明らかとなった。 今後は2つの遺伝子改変マウスを用いることによって、TBP-2/VDUP1の脂質代謝に関わる分子機構の解明や個体レベルの血中TRX量や酸化還元能、各種酸化ストレスなどへの解析を行う予定である。 2.細胞増殖・癌抑制能の分子機構の解明 HTLV-I陽性IL-2非依存性T細胞において、TBP-2/VDUP1の発現が消失していることを突き止め、この細胞にTBP-2/VDUP1を過剰発現させると、G1アレストがかかり、強い増殖抑制が示すことが明らかとなった。また、同時に細胞周期制御タンパク質であるp16の発現も上昇するほか、Rbリン酸化が減少することを明らかにした。現在、こうしたTBP-2/VDUP1による細胞増殖制御機構をさらに追求するため、細胞内局在問題やTBP-2/VDUP1と相互作用する新規分子の探索を予定している。
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