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2003 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルスの感染成熟機構と宿主応答

研究課題

研究課題/領域番号 15209017
研究種目

基盤研究(A)

研究機関大阪大学

研究代表者

松浦 善治  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (50157252)

研究分担者 森石 恆司  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (90260273)
キーワードHCV / 感染機構 / リセプター / シュードタイプウイルス / エンベロープ蛋白質 / プロテアソーム
研究概要

C型肝炎ウイルス(HCV)の感染成熟機構ならびに宿主応答を解析し、以下の成績を得た。
1)HCVシュードタイプウイルスの吸着はヘパリンによって阻害されたが、逆に感染は増強された。このことはシュードタイプウイルスの吸着には硫酸多糖類が重要であるため、ヘパリン添加によって結合阻害が観察されるが、それ以降の膜融合や侵入過程でエンベロープ蛋白質の活性発現をヘパリンが増強している可能性が示唆された。各種動物血清のシュードタイプウイルスの感染における影響を調べたところ、ヒト血清がシュードタイプウイルスの感染性を特異的に増強することが示された。
2)これまでに、HCVの二つのエンベロープ蛋白質は1回小胞体膜を貫通するI型糖蛋白質のモデルが提唱されているが、E1蛋白質は2回膜を貫通するトポロジーがコンピューター解析から示唆される。そこで、糖鎖付加部位を欠損あるいは新たに導入した変異E1蛋白質を作製し、糖鎖修飾の有無を指標にしてそのトポロジーを解析した。その結果、E1蛋白質はこれまで考えられていた1型糖蛋白質よりも、小胞体膜を2回貫通して比較的大きな細胞質領域を保持したトポロジーを取る可能性が示唆された。
3)HCVコア蛋白質は前駆蛋白質として発現された後、膜内切断酵素で切断され、成熟蛋白質として小胞体に留まり、一部は核へ移行することが明らかにされている。HCVコア蛋白質の宿主内標的蛋白質候補としてプロテアソームの活性化蛋白質であるPA28γを同定し、PA28γがHCVコア蛋白質の安定性と細胞内局在を調節していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Moriishi K.: "PA28γ-dependent nuclear retention and degradation of HCV core protein"Journal of Virology. 77. 10237-10249 (2003)

  • [文献書誌] Moriishi K.: "Mechanism of hepatitis C virus infection"Antiviral Chemistry and Chemotherapy. 14. 285-297 (2003)

  • [文献書誌] Aizaki H.: "Production and release of infectious hepatitis C virus from human liver cell cultures in the three-dimensional radial-flow bioreactor"Virology. 134. 16-25 (2003)

  • [文献書誌] Tsutsumi T.: "Hepatitis C Virus Core Protein Activates ERK and p38 MAPK in Cooperation with Ethanol in Transgenic Mice"Hepatology. 34. 820-828 (2003)

  • [文献書誌] Abe T.: "Baculovirus induces an innate immune response and confers protection from lethal influenza virus infection in mice"Journal of Immunology. 171. 1133-1139 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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