心筋梗塞の一次予防を目指した遺伝子リスク診断システムの開発

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15209021
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 研究機関: 三重大学
• 研究代表者: 山田 芳司 三重大学, 生命科学研究支援センター, 教授 (90333286)
• キーワード: 心筋梗塞 / 冠動脈疾患 / 危険因子 / 遺伝子 / 多型 / 一次予防 / 動脈硬化 / 環境因子

研究概要

研究代表者は、平成15年9月1日に三重大学生命科学研究支援センターヒト機能ゲノミクス部門教授に就任したため、本実績報告書には三重大学生命科学研究支援センター着任後の平成15年9月から平成16年3月までの研究実績について記載する。研究参加施設である岐阜県立3病院(県立岐阜病院、県立多治見病院、県立下呂温泉病院)および弘前大学病院とその関連病院(横浜総合病院、黎明郷病院)でDNAサンプルおよび臨床背景データの収集を行った。本研究は、財団法人岐阜県国際バイオ研究所、県立岐阜病院、県立多治見病院、県立下呂温泉病院、弘前大学医学部および三重大学医学部の倫理委員会の承認を得ており、対象者からは書面でインフォームドコンセントを得た後に採血を行った。平成15年9月から平成16年3月までの7ヶ月間に新たに1,724サンプルを収集し、既に保有していたサンプルと合わせ、総数3,718サンプルを収集した。さらに各症例について、年齢、性別、BMI、従来の冠動脈疾患危険因子(喫煙、高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症)、冠動脈造影所見など詳細な臨床背景データを入力したデータベースを構築した。多型解析に関しては、心筋梗塞発症との関連が推定される候補遺伝子群から抜粋した140多型の中で日本人において多型が認められた124多型に関し、1,300例について解析を行った。既に解析済みの多型データと合わせ、総数175,200多型のデータベースを構築した。平成16年度は、DNAサンプルおよび臨床背景データの収集およびデータベース化を継続すると共に、臨床背景データおよび多型データを用いて関連解析を行い、心筋梗塞発症と有意に関連するゲノム多型を確定していく予定である。

研究成果

• [文献書誌] Hirashiki A, Yamada Y, et al.: "Association of gene polymorphisms with coronary artery disease in low-or high-risk subjects defined by conventional risk factors"J Am Coll Cardiol. 42. 1429-1437 (2003)
• [文献書誌] Shimokata K, Yamada Y, et al.: "Association of gene polymorphisms with coronary artery disease in individuals with or without nonfamilial hypercholesterolemia"Atherosclerosis. 172. 167-173 (2004)
• [文献書誌] Mannucci PM, Peyvandi F, et al.: "Risk of Myocardial infarction and polymorphisms in candidate genes"N Engl J Med. 348. 1176-1177 (2003)
• [文献書誌] Yamada Y, Ichihara S, et al.: "Genetic risk for coronary artery disease in individuals with or without type 2 diabetes"Mol Genet Metab. (印刷中).
• [文献書誌] Murase Y, Yamada Y, et al.: "Genetic risk and gene-environmental interaction in coronary artery spasm in Japanese men and women"Eur Heart J. (印刷中).
• [文献書誌] Horibe H, Yamada Y, et al.: "Genetic risk for restenosis after coronary balloon angioplasty"Atherosclerosis. (印刷中).