研究課題/領域番号 |
15209025
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小室 一成 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30260483)
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研究分担者 |
南野 徹 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90328063)
高野 博之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60334190)
永井 敏雄 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00334194)
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キーワード | 転写因子 / タンパク質間相互作用 / LIMタンパク / 核外移行シグナル / P19CL6細胞 / リン酸化酵素 / ノックアウトマウス / 心臓発生 |
研究概要 |
Calは、CSXとの相互作用を介して協調的にCSXによる標的遺伝子の転写を活性化する新規LIMタンパクである。また、Calには核外移行シグナル(nuclear export signal : NES)が存在し、通常CalはNESにより細胞質に局在しているが、細胞内カルシウム濃度を上昇させるような刺激により核内へとその局在を変える。NESを欠損し核内に局在するCal変異体(Cal-ΔNES)は野生型のCalよりも、CSXによるatrial natriuretic peptite (ANP)遺伝子プロモーター活性化作用が強く、さらにCal-ΔNESを恒常的に発現するP19C16細胞は通常のP19CL6細胞よりも高率に心筋細胞に分化し、GATA-4やsarcoplasmic reticulum calcium-ATPase 2、connexin 43、calreticulin、ANPなどの遺伝子発現も亢進していた。したがって、Calは細胞内局在を変化させ、核内ではCSXと結合してCSXの転写活性を制御することで、心筋細胞分化を調節していると考えられる。MidoriはP19CL6細胞の心筋分化の初期段階で発現するリン酸化酵素であるが、発生における機能の解析のために、ノックアウトマウスを作成中である。マウスMidoriのゲノムDNAの構造解析を行い、Midori遺伝子の翻訳開始点から2.8kbをβ-galactosidase遺伝子とneomycin耐性遺伝子に置換し、5'端と3'端にそれぞれ7.5kbと0.9kbの相同領域を有し、ネガティブセレクションマーカーであるジフテリア毒素Aカセットを含んだターゲティングベクターを構築した。現在、マウス胚性幹細胞にエレクトロポレーション法による遺伝子導入を行い、相同変異体のスクリーニングを行っている。
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