研究課題/領域番号 |
15209027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
藤原 久義 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80115930)
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研究分担者 |
小戝 健一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 教授 (90258418)
荒井 正純 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (00202721)
竹村 元三 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40283311)
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キーワード | 拡張型心筋症 / ハムスターUM-X7.1 / 再生療法 / 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF) / 繊維化抑制 / 心筋細胞再生 / 心機能の改善 |
研究概要 |
研究I:G-CSF長期投与によるDCMの心筋組織の再生と分化メカニズム -予後、心機能・心の形態および組織学的検討- 対象:DCMモデルモデルハムスターUM-X7.1 15週令40匹、25週令40匹 方法:i)15週令15匹にG-CSF10mg/kg/day5日間連日皮下注射、2日休薬を15週間、すなわち30週令まで行った。 G-CSFは遺伝子組み換えヒトG-CSFを用いる。 コントロールとして16匹に生食を皮下注射した。 ii)15週令・25週令・30週令に心エコーを行う。30週令に麻酔下で屠殺する。 iii)H.E染色、各種免疫組織染色、ウエスターンを心、腎、膵、肺について行う。 結果および討論: G-CSF治療群では明らかな生存率の改善(100%vsコントロールの53%)を認め、心機能の悪化も著明に抑制された(EF:43+-9%vs.29+-11%)。左室心筋線維化率もG-CSF治療群で有意に減少した(8.6%vs.20+-6.5%)。治療群の心臓ではMMP9とMMP2の活性化が増大し、TNF-αの発現は抑制された。共焦点顕微鏡においてG-CSF治療群にのみ骨髄由来のマーカーであるDiI陽性+心筋細胞のマーカーであるトロポニンI陽性細胞すなわち骨髄由来細胞から分化した心筋細胞が心筋線維化の周辺部に観察された。また蛍光顕微鏡ではエバンスブルー色素を取り込んだ傷害された心筋細胞がコントロールでは0.75+-0.11%見られたが、G-CSF治療群では0.07+-0.00%と著しく減少した。 結論: G-CSFは(1)骨髄幹細胞動員による心筋細胞再生、(2)TNF-α発現抑制、(3)MMP活性化、そして(4)心筋細胞死の抑制という4つのメカニズムを介して拡張型心筋症モデルハムスターUM-X7.1の長期予後と心機能を改善する。
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