研究課題
基盤研究(A)
DCMモデルモデルハムスターUM-X7.1の15週令に対しG-CSF(10mg/kg/day)を30週令まで投与した。その結果G-CSF群では生存率の改善(100%vsコントロールの53%)を認め、心機能の悪化も抑制された。左室心筋線維化率の減少、MMP9とMMP2の活性化があり、TNF-αの発現は抑制された。このハムスターの心筋細胞には変性したミトコンドリア、グリコーゲン顆粒、mylin-like figureからなるauotophagic vacuolesが多数みられた。またオートファジーの生化学的マーカーcathepsin DやRab7が上昇し、かつこれら細胞は細胞死のマーカーであるEvans blue dye-positiveであった。しかしアポトーシスのマーカーであるTunel陽性細胞およびネクローシス細胞はまれであった。G-CSFは心筋細胞のauotophagic vacuolesを改善し、cathepsin DやRab7の上昇を抑制した。またEvansblue dye-positive細胞を著しく減少させた。以上より心筋細胞死のメカニズムはオートファジーであり、G-CSFによる長期心機能・予後改善効果は心筋細胞オートファジーの予防、TNF-α発現抑制、MMP活性化である。次にすでに進行した心不全状態になっている25週令DCMハムスターにG-CSFを投与したが、効果はなかった。そこで心不全がすでにあるヒト拡張型心筋症に対するG-CSiF投与は行わなかった。慢性心不全がすでに完成している心筋梗塞後16週の慢性心不全モデルマウスG-CSF投与を行った。その結果、G-CSFはDCMモデルと異なり、心機能とリモデリングを有意に改善した。そのメカニズムは心筋細胞のG-CSF受容体発現の亢進を介したTNF-α、TGF-βならびにAT-1の抑制とMMPやGATA4の活性化であった。
すべて 2006 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (12件)
Am J Pathol 168(2)
ページ: 386-397
Lab Invest 86(2)
ページ: 86(2)
ページ: 32-44
Circulation 111(19)
ページ: 2430-2437
Circulation 109(21)
ページ: 2572-2580
Circ Res 95(6)
ページ: 627-636
Circulation 107(19)
ページ: 2499-2506