研究課題
ARDS、特発性間質性肺炎、難治性気管支喘息などは、炎症・免疫関連機序を主体とする病態であり、その難治性・致死性や高い発症頻度から、社会的にも極めて重大な疾患群である。これらの炎症性免疫関連肺疾患の病態機序・治療標的は未だに不明であり、新治療法の開発が急務とされている。本研究では、近年、炎症・生体防御関連因子として注目されている1)脂質性メディエーター、および2)抗菌ペプチドに着目し、難治性肺疾患における意義および治療標的の可能性について研究を遂行した。1)脂質性メディエーター:脂質性メディエーターであるPAFおよびエイコサノイドは、多彩な生理活性作用を示し、免疫関連肺疾患発症に寄与している可能性が推察される。本研究では、発生工学的手法を応用し、脂質性メディエーターの免疫関連肺疾患発症機序における意義を明らかにし、治療標的の同定を進めた。なかでも、LTB_4は好中球遊走因子として炎症性肺疾患に関わることが想定され(Nature,1997:387:620-24)、本研究では、LTB_4-R遺伝子ノックアウトマウス(LTB_4R-KOマウス)を作成し、気管支喘息など免疫関連疾患におけるLTB_4の意義を検討した。2)抗菌ペプチド:炎症性肺疾患においては、感染症が重要な病態悪化因子となっている。本研究では、抗菌ペプチドdefensinの感染防御機構における意義、および炎症性呼吸器疾患発症分子機構への関与について検討を加えた。また、マウスdefensinのトランスジェニックマウスを作成し、機能解析を進めた。
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