研究課題/領域番号 |
15209033
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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研究分担者 |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
河崎 寛 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80280957)
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キーワード | CD26 / 可溶性CD26 / リガンド / CD86 / 干渉RNA / Caveolin-1 / Tetanus Toxid / CD28 |
研究概要 |
CD26はT細胞の共刺激分子である。しかし、CD26の共刺激に関与するリガンドは不明であった。組み換え可溶性CD26(sCD26)を作製し、そのリガンド探しを行ってきた。その結果として、sCD26は Tetanus Toxoid (TT)抗原刺激に対するT細胞増殖反応を亢進させること、さらにsCD26の標的はMφであり、sCD26はMφ上のCD86の発現を亢進させることを報告した。sCD26はMφ系細胞株のTHP-1に結合することを利用してMALD-TOF MS により、caveolin-1が新たなCD26結合蛋白であることを同定した。さらにCD26及びcaveolin変異体を用いた方法で、caveolin-1の82-101アミノ酸残基(scafloding domain)がCD26のDPPIV酵素活性のポケット構造部位201-211アミノ酸残基(caveolin-1 binding motif)と630のセリン残基を介して結合することを明らかにした。 Caveolin-1は最初Srcでトランスフォームしたchick embryofibroblastの主たるチロシンリン酸化蛋白として同定され、通常ではMφの細胞表面には存在しないが、in vitroでTetanus Toxoid(TT)でMφを処理すると、12-24hrで細胞表面上に発現誘導される。さらに干渉RNA(RNAi)でMφのcaveolin-1の発現をknock downさせると、CD86の発現上昇が抑えられ、sCD26の抗原特異T細胞増殖も消失することから、CD26とcaveolin-1の相互作用によりMφ上のCD86の発現上昇を生じ、その結果T細胞上のCD28と相互作用することで、抗原特異的T細胞メモリー反応を増強させることを明らかにした。
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