研究概要 |
ASK1による角化細胞からの抗菌ペプチドの産生をDot Blot法にて検討した。アデノウイルスベクターを用いて活性型ASK1を培養角化細胞に遺伝子導入し、培養上清中の抗菌ペプチドの産生をDot Blot法にて半定量した。コントロールとしては、β-galactosidase組み込みアデノウイルスベクターを用いた。培養上清中の抗菌ペプチドをMacro Prepで吸着し、洗浄後酢酸バッファーで溶出し凍結乾燥した。溶解後ニトロセルロース膜に吸着し、抗抗菌ペプチド抗体と反応させ、ECLでシグナルを検出し合成抗菌ペプチドと比較した。その結果コントロールと比較してhBD1-3の産生が亢進していた。 表皮角化細胞におけるtoll-like receptor(TLR)2の関与を検討した。黄色ブドウ球菌209Pを60度で熱処理し培養角化細胞に添加し、抗菌ペプチドの発現をreal-timePCR法で検討したところ、hBD2,3が亢進していた。さらに、p38,JNKのリン酸化をウエスタンブロット法で検討したところ、いずれも上昇していた。このhBD2,3の発現上昇はp38の阻害剤SB203580で抑制された、しかしJNKの阻害剤SP600125では抑制されなかった。従って、黄色ブドウ球菌の接触によるhBD2,3の産生はp38を介するものと考えられる。 セルフリー蛋白合成システムを用いてASK1を合成した。小麦胚芽由来リボゾームを用いてヒトASK1のcDNAからGST fusion蛋白を合成し、ウエスタンブロット法,クーマシーブルー染色で純度を確認した。GSTから切り出し後、ウサギに免疫し抗体を作成しaffinity精製を行う。
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