研究分担者 |
武井 教使 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80206937)
三辺 義雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60181947)
中村 和彦 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80263911)
佐藤 康二 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80235340)
岩田 泰秀 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10285025)
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研究概要 |
1.神経幹細胞機能異常による統合失調症モデルの開発:(1)雄性SDラット(8週齢)の頭部に5GyのX線を6回,合計30Gyを分割照射した。メタンフェタミン腹腔投与による移所行動量は,照射後1ヶ月では変化はなかったが,3ヶ月後には著明に増加していた。MK-801腹腔内投与による移所行動量についても同様の結果が得られた。社会的行動は照射後1ヶ月から低下し,照射後3ヶ月でも同様に低下していた。認知機能評価として先行刺激抑制試験およびモリス水迷路試験を行なったが,いずれの試験も照射後1ヶ月では差はみとめられなかった。現在,それ以後の時点での評価をすすめている。海馬歯状回および側脳室下帯における神経幹細胞(BrdU陽性細胞)数は著明に減少していた。(2)Leukemia inhibitory factor receptor(LIFR)ノックアウト・マウスでは神経幹細胞数と増殖能が低下していることが分かっている。このマウスにメタンフェタミンを腹腔内投与すると移所行動量が増加した。しかしMK801投与では変化がなかった。先行刺激抑制試験にも変化がなかった。 2.統合失調症の血液マーカーの検索:未服薬の統合失調症患者と気分障害患者について,リンパ球中のverylow-density lipoprotein receptor(VLDLR)とapolipoprotein E receptor 2(ApoER2)のmRNA発現量を調べた。VLDLRとAPoER2は神経幹細胞の成長と分化に関係するreelinの受容体である。VLDLRは統合失調症患者で減少していたが,気分障害患者では変化がなかった。一方,ApoER2は統合失調症患者では変化していなかったが,気分障害患者で減少していた。
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